「未来への成長」に関しては、課題も出てきました。私が若い頃はそうでもなかったんですが、大学進学などで熊本を出た若者が地元に戻らず就職してしまうパターンが多く、そのため、熊本で育ち熊本の大学で学んだ人材が入庫してくれるのは嬉しい反面、それに偏っている現状があるんです。組織が成長する上で「人材の多様性」というのは重要ですから、「都市圏などで広い世界を経験した若者の入庫」も切に希望しているところです。そのために、熊本の若年人口を増やそうと婚活パーティーや、プロサッカークラブ『ロアッソ熊本』応援企画を開催するなど、地域貢献を通した若者へのPR活動を展開しています。
そうした姿勢のおかげか、お客様との間で苦労した覚えはないんですよ。特に後者の公平さ、謙虚さ、素直さは大切にするようにと、部下や後輩にもよく言ってきました。
熊本の元気に貢献し
共に成長していきたい
―熊本の現状と未来に思うことは。
豊住 自然災害対策・復興や若年層の流出・人口減など、熊本が取り組むべき課題というのがありますよね。その課題に対処していくためには、まず「地域が元気になること」が重要だと感じています。 そのために私たちは本業である「お金を使ってもらうこと」を第一義として、地元中小企業や県民の皆様が、元気になるお手伝いをしていきたいと思っています。建前ではない、これまで以上の「お客様第一」の姿勢を持ち、熊本の皆様に元気になってもらい、その結果、私たちも元気になっていく、共に成長していく。そして10年、20年後の、より良い熊本の未来に貢献できれていれば、と思いますね。
熊高2年生の時、大阪万博にて
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勝てなくてもいい 負けなければいい ―学生時代の、今に活きる「学び」を教えてください。 豊住 若い頃ですから、やはり恥ずかしいとか、悔しい思いをすることもありましたね。でもそういう時、私はあえて自分のコンプレックスを、自分からさらけ出したりしていました。その方がかえって気が楽になり、前向きに頑張れるということがあるんですね。そういう経験もあって、私は今に活きるプラス思考、ピンチもチャンスと捉える姿勢を育んできた気がします。 また学生時代はずっと柔道をしていたんですが、特に寝技に力を入れていました。寝技が上手くなると、勝てないまでも「なかなか負けない選手」になれるんですよ。考えてみれば仕事にしても人生にしても、必ずしも勝てなくてもいい、「負けなければいい」。そんな価値観も、これまでの自分に役立ってきたと思いますね。 |