―千原台高校自転車競技部の近況を教えてください。
創部は1999年です。現在、部員は1〜3年生まで25名ほど(うち3名がマネージャー)います。現時点で選手は男子だけですが、昨年卒業した年代には女子選手が2名いました。
過去にインターハイの個人種目で優勝した生徒はいましたが、今年度初めて団体種目で優勝することができました。種目は「4kmチームパーシュート」(4名1チームで力を合わせ、相手チームを追い越すことを目的に4kmを走るトラック種目)です。
また、個人種目では「スクラッチ」(ゴールの着順で競うトラック種目。予選は6km、決勝は8km)で優勝、「ポイント・レース」(トラック上に設けられたポイントラインの通過順位によって与えられるポイントの数で競うトラック種目。予選は16km、決勝は24km)で3位、「4km速度競争」で5位に。学校対抗では3位でした。
3年生が引退して新チームとなった後は、昨年11月の県高校自転車競技新人大会で、個人種目の「スプリント」(トラック2周を1対1で競う種目)、「ケイリン」(複数の選手が横一列に並びスタート。2kmの距離で着順を競うトラック種目)、「3kmインディヴィデュアル・パーシュート」(2名の選手がホーム側、バック側より同時にスタートし、追い抜き競争するトラック種目)の3つで1位になることができました。
―今後、力を入れていきたいことは。
部として「日々成長」「いつでも本気」という言葉を大切にしています。また、私は日頃から「生徒たち自身に考えさせる」ことを重視していますので、生徒たちに向き合いながらも成長を促すような指導を引き続き心がけていきたいと考えています。
現2年生には1年生の頃から全国大会に出場していた生徒がいるので、彼がどれだけ飛躍できるか、そしてキャプテンがどれだけみんなを引っ張っていってくれるかも楽しみにしているところです。
目標を持っていればモチベーションは落ちない
―自転車競技部での活動を通して、生徒たちに学んでほしいことは。 目標を持つことと、イメージすることの大切さを伝えたいと思っています。誤解を恐れずに言いますと、私は生徒たちを「全国大会で優勝させたい」と思って指導しているわけではありません。生徒の目標を聞いて、その手伝いをする気持ちでサポートしています。 昨年、現3年生たちの代になった時に彼らに目標を聞いたら、「インターハイの学校対抗で3位、チームパーシュートで優勝」と答えました。ならば、その目標に対して何をしていなければいけないか。例えば、前年の優勝タイムを調べ、それを超えるにはこれからの大会でどれくらいのタイムを出 |
目標を持っていれば、モチベーションは決して落ちません。自転車競技だけでなく、大学入試や就職、それから先の人生においても大なり小なり常に目標を持って、前へ進んで行ってほしいと思います。
「イメージトレーニングのレベル100」。これは私のオリジナルの表現なのですが、自分を成長させるための心構えです。イメージトレーニングは、ただ思い浮かべるだけではダメで、夢物語のレベルでも低いレベルでもダメ。自分の体を頭の中にはっきりと思い浮かべ、限界を超えるパフォーマンスを想像し、そのために体をどう動かさなければならないかをイメージして、現実にそれができるようになるまで突き詰めることが重要です。それが「イメージトレーニングのレベル100」の段階。簡単に言えば、自身が最大の力を発揮した時にどこまでできるかをイメージできるようにしておこうということ。それができれば、飛躍的に成長できると思います。
日々の生活の中に
目標を見つけるきっかけはある ―若者へメッセージをお願いします。 何事にも取り組むうえで目標を持ってください。それを達成するためにはイメージすることを大切にし、イメージできることは「きっと実現できる」と信じてください。そして、その目標を達成したら、また新たな目標を見つけてください。目標がある限り、モチベーションは落ちません。 とはいえ目標が「ない」「見つからない」という人もいるかもしれません。その場合は、人とのつながりを改めて大切にしてみてください。何か目標が見つかるきっかけがあるかもしれません。私は中学時代に、当時の本校の自転車競技部の監督に誘っていただき、自転車競技に出合うことができました。周りから差し伸べられる手から、自分に合ったものが見えてくることもあります。人との縁を大切にしながら、好奇心を持って日々を過ごしてみてください。 |