【プロフィール】
1955(昭和30)年2月20日生まれ 下益城郡(現・熊本市南区)城南町出身。九州学院高校―日本体育大学体育学部卒。 物心ついた頃から野球を始め、九州学院高校で県大会優勝、大学では神宮大会ベスト4などを経験する。卒業後は熊本に戻り、城南中学校や人吉高校で野球部の指導に当たる。1980年から熊本工大(現・文徳)高校で教鞭をとり、野球部や男子ソフトボール部、女子ソフトボール部などの監督を務める。男子ソフトボール部では1997年に全国制覇、2007年創部の女子ソフトボール部でも1期生をインターハイ出場へ導き、昨年度は県大会4冠を達成するなど県内屈指の強豪校へと成長させている。体育教師。 若者へのメッセージ 「精神イコール技術」 |
T1 park 記者
環境の変化に動じない心を養っておくことがポイント。 山川監督 どこでやろうと関係ないんですよ。試合だからと変に気負う必要もなく、練習通りやればいいんです。ですから私自身も意識しないように心がけています。確かに公式戦と練習試合では意味合いは異なりますが、私が身構えていると選手が力を発揮できないんじゃないかなと思います。 うちの生徒は真面目な子が多いのですが、人間は真面目すぎても面白味がない。ちょっと愛嬌があって、視野が広い子が良いですね。考えが硬すぎて柔軟性がない子はきちんと指導しないと試合に出せないんですよ。少しほぐしてあげるだけで本当に良いプレーをするのでもったいないなぁと感じます。 |
T1 park 記者
そういう選手が1人でもいるとチームが活気づくわけですね。 山川監督 1期生の時がまさにそうだったんですよ。ソフトボール部の監督になる少し前のことですが、サードランナーがいるのにショートゴロをファーストに投げて4点目を取られ、結局コールド負けをした試合がありました。「なんでバックホーム勝負しないかなぁ」とそれがずーっと頭にあって、監督に就任した時にまずその話をして、その時のキャプテンが優しくおとなしい性格の子だったので相談してキャプテン交代となりました。新キャプテンは補欠の選手で最初は遠慮がちだったのですが「それはチームメイトに失礼じゃないか」という話をしたところ、それからは大きな声で指示を出したり、皆を引っ張る発言をしてくれてパッとチームに活気がついたんですね。そして総体予選が始まる1月前位に練習の雰囲気を見ていて「これは勝てる」と確信し、無事優勝することができました。キャプテン交代をきっかけにチームが1段階上がったという感じでした。 |
T1 park 記者
部活動を通して生徒に伝えたいことは。 山川監督 なぜ部活動をしているかということ。私は生徒指導や人間づくり、これが一番だと思います。挨拶や人間関係など社会人として必要なことを養っていくには部活動が最も適した活動じゃないでしょうか。それプラス自分がやりたい種目をやる。人間性と技術を平行して鍛えることが大事です。 就職を考えても部活動をしていた生徒をほしいと言われる企業さんは多くいらっしゃいます。それはなぜか。挨拶がきちんとできて、きびきび動ける、そういう人間性を重要視されているのです。当たり前のことほど実践するのは難しいですからね。生徒達はこれからソフトボール以外の人生が長くなるわけで、就職にも役立てるような、その後の人生の礎となるようなものを築いていってほしいですね。 |
T1 park 記者
若者へ応援メッセージをお願いします。 山川監督 我々の時代とは違うのは理解していますが、今の学生を見ていると昔に比べて甘いような印象を受けますね。高校でも大学でも厳しさが足りない。本来であれば社会人に近づくにつれて色んな面で厳しさも教えていくことが必要ではないかと思います。 人間怒られるうちが華です。社会に出たらすべてが自己責任、怒ってくれる人もいません。だから今のうちに部活を通して社会で通用するような人間に成長してほしい。根性が無くてすぐやめる、それじゃいかんのです。自分の将来ですから先を見据えてやるべきことをちゃんとやる。遊びたい気持ちもあるでしょうから、そこはメリハリをつけてやっていけばいいと思います。 T1 park 記者 ありがとうございました。 Writer T. Nakahara |