佐藤
全国大会進出はもちろん嬉しいことですが、「全国で勝っていく」ためには、連続出場することが重要だと改めて感じました。初戦の相手だった新潟の帝京長岡高校がそうであるように、全国でも強いところというのは、インターハイ・選手権大会共に常連校がほとんど。大舞台に慣れているということは、やはり強いアドバンテージなんですよね。
ですから「6年ぶりの全国進出」に胡座をかかず、次の県大会でも必ず優勝することを目指して練習に励んでいきたいです。幸い新3年生のうち5名は全国の舞台を経験することができましたから、そこで得たものを自分の成長につなげ、かつ他の選手たちにもフィードバックしてもらう動きを進めたいですね。
また「シュート数の多さ」もまだまだと感じました。「守備の国府」と言われますが、シュートを打たなくては勝てないのがサッカー。しかし、ただ打っても勝てるものではありませんから、得点につながるような効果的なシュートをたくさん打てるようになること、そういった点もレベルアップしていかなくてはと思っています。
プロ選手から教師になったのも 学生時代の頑張りのおかげ |
―貴校サッカー部での活動を通して、生徒たちに学んで欲しいことは。
佐藤 将来プロサッカー選手になってくれたら、嬉しいという気持ちはもちろんあります。ですがほとんどの生徒はそれ以外の道へ進むわけですから、どの分野に進んでもその道のプロと |
また、私は保健体育の教師で生徒指導部にもおりますから、国府の生徒全体を指導する立場にもあります。その上で付け加えると、サッカー部の活躍だけではなく素晴らしい人材の輩出に貢献することで、ゆくゆくは『熊本国府高校』そのものの、さらなるイメージアップ・ブランド化にも貢献したいと思っています。たとえば北海道の方が学校名を聞いても、「ああ、あの良い高校ね」と思っていただけるような。
↑高校3年時に出場した、第50回国民体育大会(福島国体)での1枚。
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―学生時代の、今に活きる「学び」を教えて下さい。
佐藤 学生時代の経験といえば、やはり大津高校サッカー部での3年間ですね。今も大津高校の総監督をしておられる名将・平岡先生にご指導いただいたのですが、正直、当時は怖かったです(笑)。キャプテンというのもあり叱られることが多く、そうならないように辛い練習を頑張っている、といったところもありました。 ですが先生がよく仰っていた、「成せば成る」「今日の汗、明日輝く」といった言葉、今でもちゃんと覚えているんですよね。そして歳月を経るにつれ、身に染みる言葉だとも思います。またご指導のおかげで卒業後の私は『アビスパ福岡』に入団、いわゆるJリーガーになることもできました。そうは言ってもケガが多くて思うように結果を出せず、3年で退団してしまったんですが。苦労した記憶のあまりない私ですが、それは初の大きな挫折だったと思います。 |
周りに感謝できる子の方が 選手としても伸びしろがある |
―座右の銘は。 佐藤 「意志あるところに道はある」。国府サッカー部には『サッカーノート』というものがありまして、1人1冊のノートに週1回、1週間の反省・改善を月曜日のミーティングで書き、指導者に提出するというもの。私たち指導者からのアドバイスなどもそれに記していきます。 |
―若者へメッセージをお願いします。
佐藤
先に少し言いましたが、周りへの感謝の気持ちを忘れない、「ありがとう」をきちんと言える人になって欲しいと思います。こうした思いやり、感謝の気持ちというのは、「いろんな人に支えられて自分がある」という、社会を生きていく上で本当に大切な感覚だと思いますから。
言い方を変えると、そうした感覚の欠けた若者もいるな、というのが実感です。サッカーで言うと思い切り練習できる環境、遠征試合の時に大人が車を運転することなどを、「当たり前」と思っているような若者ですね。しかし実際のところ、そうしたことにもきちんと感謝できる生徒の方が、選手としても伸びしろがあるものです。ですから自分のためだけではなく、周りへの思いやりを持って頑張り続け、己の道を開いていって欲しいと思います。