目標達成に向けて
改革&チャレンジ!
-貴社の近況を教えてください。 弊社は1887(明治10)年に創業し、昨年、145周年を迎えました。地域に根差した商社として、さまざまな商品やサービスをお客様へお届けしています。創業以来、大きな柱となっているのが繊維総合卸事業です。自社ブランド製品の製造・販売や、熊本・福岡・佐賀・山口での直営店舗運営なども行っています。また、ICTソリューション事業も手掛けており、大手メーカーのオフィス機器販売を中心に、お客様のデジタル化推進もお手伝いしています。他にも、ファシリティソリューション事業ではエレベーターや空調、照明といった設備を販売。モバイルソリューション事業ではNTTドコモの代理店としてドコモショップの運営や、企業向けのシステム販売も行っています。 |
成長スピードを上げて
新しいことにも積極的に
-今後、力を入れていきたいことは。
法人向けの事業としてICT分野、ファシリティ分野、ユニフォーム分野で活動するチームを立ち上げ、これまで右肩上がりで成長してきました。その成長スピードをさらに上げるために、パートナー企業とのコラボレーションの強化や、M&A(企業の合併と買収)を活用した営業エリアの拡大などに力を入れていきたいと考えています。また、アパレル分野ではデジタル化の推進と外部プロ人材の活用によって既存事業のテコ入れを図っていきます。
それから、熊本の地で長い歴史を刻んできた弊社だからこそ取り組むべき新たな事業にも着手します。故郷・熊本への深い敬意のもとに、熊本の独自性を強く持ちながらも各地の伝統技術やデザインともつながっていくことを目指すアパレルブランド『~土地の風土を纏う~ 産土ノ服 ubusuna』の立ち上げです。熊本の生産者や技術者と一緒に、お客様に感動していただける服をつくっていきます。詳細は3月に発表しますので、どうぞご期待ください。
献身的な気持ちを大切に
大学時代の古荘さん | -学生時代の、今に活きる「学び」を教えてください。 両親から「人に偉そうにしてはいけない」と教えられてきたため、学生時代は人とコミュニケーションを取るときに、あまり自己主張せず、その人に合わせていたように思います。いわゆる「空気を読む」という感じです。私にとって「空気を読む」とは「相手のことに興味を持ち、何が好きで何が嫌いかを読み取り、相手にとって居心地の良い人間になる」こと。その人がどういう人なのか、何を求めているのかを感知し、やってあげると喜んでもらえます。逆に、求められていることが自分のポリシーと違っていたら、しっかり「No」と言ってあげた方が互いの信頼につながります。大事なのは相手に興味を持って、観察して、理解すること。そうして良好な関係を構築していけるのは、学生時代に培った力だと思います。 |
やれることを全て、
後悔がないようにやりきろう
「人事を尽くして天命を待つ」。言うのは簡単ですが、人間ってやれることの全てをやるのは難しく、つい「ここまででいいかな」とストッパーをかけがち。私自身もそういうところがあります。しかし、今は会社の大きな節目でチャンスでもあるので、やれることの全部をやろうと思っています。その意味でも、今年はテーマを「八方画策」としました。必ず目標利益を達成して、目標よりプラスの分は社員に給料や福利厚生で還元したい。社員がいなければ企業は成り立ちませんから。近年は、少しでも感謝の気持ちを伝えるために、300人以上の社員とパートさん一人ひとりに、誕生日にメッセージとちょっとしたプレゼントを渡すようにしています。
-若者へのメッセージをお願いします。
3つあります。1つめは、「やりたいことは、後悔しないようにやりきってほしい」ということです。人は、何か一つのことをやりきって納得できると、次の道へ後悔なく進んでいけると思います。若い人たちの中には、次から次にやることを変えているような人もいるでしょう。それは、一つのことをやりきるクセがついていないからではないでしょうか。納得いくまでやりきることをぜひ経験してほしいと思います。
2つめは、「信頼関係を大切にしてほしい」ということです。そのためには、人から期待して任されたことに対して、期待以上の成果を上げることが重要です。そうすると自然と仲間が助けてくれるようになり、打算的ではない人間関係を構築していけます。さらにいろいろな仕事を任せてもらえるようにもなります。私自身、そのおかげで本当にたくさんの人たちに助けていただいているので、ぜひ皆さんも信頼を積み重ねていってください。
最後は、ビジネスにおいて「グローバルな視点を持ってほしい」ということです。よく「熊本のために」という言葉を耳にすると思います。では、何が熊本のためになるのでしょうか。熊本でお金を稼いで、それを熊本で使う。それはもちろん熊本のためになります。しかし、熊本だけで稼ぐのには限界があり、加えて日本の人口は減少する一方です。そこで、人口が増え続けている・世界・に目を向けて、熊本の外でお金を稼ぎ、それを熊本で使うという視点がより重要になってくるのです。若い頃からそのような意識を持っておくと視野が広がり、行動も変わっていくはずです。
(インタビュー/2023年1月13日取材)