なお、メンタル面を改善するために現在、厳しい体力トレーニングを取り入れています。体育館を100周走ったりなどハードな練習を重ねることで、自分に打ち克つ精神力を鍛えていく。うちはモットーとして「明るく楽しく 元気に愉快に面白く」を掲げており、そういった「逆境の中でも、いかに自分で前向きな考え方に持っていけるか」がカギだと思っています。きつい練習は最初はイヤがられますが、繰り返していく内にタイムの短縮であったりと、結果が目に見えるようになると心に余裕が出てきます。そして部員同士で競い合ったりして、より良い練習内容へステップアップするようになっていく。彼らのそうした成長を目の当たりにできるのは、監督としての喜びでもあります。
それでもなお、厳しい指導が必要な時もあると思っています。プレーそのものというよりも、人間性に関してですね。本当に勝ちたいと思ってやっているのか、真剣にハンドボールに向き合っているのか。そういうことに関しては、時に厳しくしてでも裏表のない、素直な人間に育てていきたい。私の恩師が大切にしておられた「人の道(写真参照)」という教えがあるんですが、僕もこれを、ハンドボールを通して学んで欲しいと思っています。
努力を続けていくと 不思議と運もついてくる ―学生時代の、今に活きる「学び」を教えて下さい。 嘉古田 僕がこの部にいた頃も、恩師の大宮先生から前述のモットーや「人の道」の大切さを言われ続けてきました。厳しい先生でしたが、あまり怒られたというイメージはないですね。技術面よりもチームが一丸になること、みんなでハンドボールをすることの「気持ちの部分」を強く指導していただきました。体力的にきついところでいかに踏ん張れるか、要するに根性を鍛える練習でしたね。また大宮先生も人間性に関しては指導が厳しく、例えば初心者が上手くプレー出来ないのを他の部員が笑ったりすると、「人の失敗を馬鹿にしてはいけない」と怒られていました。 進学後の日体大ではさらに練習がハードになりましたが、周りの環境に非常に恵まれ、4年間で2度の日本一をとることが出来ました。入学直後の春季リーグ第3試合、順天堂大学との試合では、たまたまメンバーに入れてもらって思い通りのプレーができ、それ以降も使ってもらえました。3年生の頃には怪我に悩まされたりもしましたが、4年生ではキャプテンをさせていただき、非常に充実した4年間となりました。春季リーグでの出場でプレッシャーに押し潰されることなく、チャンスだと感じられたのは、高校時代での精神面を鍛える練習が活きたのかもしれないですね。 |