松本 充右 九州ルーテル学院大学 学長 【プロフィール】 1965年1月生まれ。58歳。神奈川県横浜市出身。 明治学院大学大学院文学研究科英文学専攻博士前期課程修了。 1990年、前身の九州女学院短期大学英語学科助手に任用され、1992年に同専任講師に。2001年、九州ルーテル学院大学人文学科准教授となり、2003年から2年間、米国ロチェスター工科大学とキャピタル大学の客員研究員に。2010年、教授に昇任し、人文学科長、グローバルセンター長、学務・入試センター長などを歴任。2020年から副学長を務め、2022年4月に学長に就任。専門は英語学、英語教育。 自分の・好きなこと・を大切に。 見つけたら継続して取り組もう! |
学科・専攻を再編
より現代的で専門性の高い人材を育てる大学に
2023年度より学科・専攻を再編し、教育・研究環境をさらに充実させます。これまでは「人文学部」内に「人文学科」と「心理臨床学科」の2学科を、「人文学科」内に「キャリア・イングリッシュ専攻」と「こども専攻」の2専攻を設置していました。さらに、「こども専攻」内に「児童教育コース」と「保育コース」の2コースを設けていました。それを2023年度から再編し、「人文学科」は「キャリア・イングリッシュ専攻」と「保育・幼児教育専攻」、「児童教育専攻」の3専攻にします。
理由は、本学の特色である「少人数教育」の下、より分かりやすく、より教育・研究環境を充実させるためです。従来の「こども専攻」は定員50名で、幼稚園教諭と保育士を育成する「保育コース」と、小学校教諭を育成する「児童教育コース」を設置していましたが、後者の人気とニーズが高まってきたためそれぞれを専攻に格上げし、それぞれに定員(「保育・幼児教育専攻」は定員30名、「児童教育専攻」は定員35名)を設けました。
なお、これまで「心理臨床学科」内に設置していた「特別支援教育コース」の内容は、教員養成の強化を図るため「人文学科」内の「児童教育専攻」に移します。代わりに同科には「人間科学コース」を新設します。
また、2023年度公立保育園保育士・公立幼稚園教諭採用試験でも6名の学生が合格しております。保育について深く学び、自分の保育観を形成するとともに、高い実践的スキルを身につけられる本学の教育カリキュラムに加え、教職・保育支援センターによる筆記試験対策、保育コースの専任教員による面接指導、ピアノ実技指導など手厚い採用試験対策を行えるのも少人数教育だからこそできる本学の強みです。
使える英語を学び
世界を視野に
英語教育です。文系・理系を問わず、これから何をやるにしても・使える英語・が必要になってくると思います。本学の「キャリア・イングリッシュ学科」の名称も、ビジネスで使える英語を意味しています。若い人たちには将来どのような進路に進むにしても英語はぜひ学んでほしいですね。
-使える英語を身につけるためのアドバイスをお願いします。
若いうちに海外に行ったり、外国人と英語でコミュニケーションを積極的に取ってほしいですね。使わないと身につきませんから。その際、失敗を恐れず、間違いを気にせず、どんどん英語で話してほしいと思います。テストなどで減点方式が浸透している日本の若者は、文法やスペルの小さなミスを気にしてなかなか発言しない傾向があります。一方で、同じアジアの韓国や中国の学生は、英語が上手でなくても手を上げて発言する若者が多い。恥ずかしがり屋で失敗を恐れたままだと、英語は上達しません。失敗は向上していることの証なので、恐れる必要はありません。
また、海外へ行けば、さまざまな刺激を受けることができます。昨年のサッカーW杯、日本代表には若いうちから海外で活躍している選手が多く選出されていました。若い時に海外でさまざまな経験することで、日本人というより地球人に、グローバルな人間になれる。そのためにも、できるだけ若いうちに海外に行ってみることをお勧めします。
私は大学を卒業してアメリカを旅行し、本学で働くようになってから2年間アメリカの大学へ留学しました。その時の経験は私にとってかけがえのないものになっています。
好きなことを見つけよう
自分の好きなことに
迷わず取り組み続けよう!
「You are never wrong to do the right thing.」「正しいことは迷わずやれ」という意味です。たまたま見た映画『マイ・インターン』に出てきたセリフで、映画中ではアメリカの小説家マーク・トウェインが言った言葉として紹介されています。日本人は自分が好きなことや思ったことを、空気を読んで主張しないことがあるように思います。でも、「自分が正しいと思うのなら、批判されようがブレずにやろう」という意味だと私は捉えています。
全力で自分の好きなことを見つけてください。それは大変なことだと思いますが、いろんな経験をして、いろんな人に話を聞いて、チャレンジすることで、いつか見つかると思います。そして、好きなことをやり続けてください。「継続は力なり」です。私はそのおかげで大好きな英語に出合うことができました。
また、私は中学生の頃からジャズサックスプレーヤーの渡辺貞夫さんが好きで演奏を聴き続けていて、働くようになってからサックスを購入しました。それが今までで一番嬉しかった買い物です。今では人前で演奏することもあります。好きなことをずっとやり続けると、素晴らしい出会いに恵まれ、大きな力になることを実感しています。ぜひ皆さんも好きなことを見つけて、それに全力で取り組み続けてみてください。
(インタビュー/2022年12月2日取材)