【プロフィール】
1954(昭和29)年8月2日生まれ、60歳。熊本市出身。九州学院-東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒。中学校から柔道をはじめ、全国中学校錬成大会(中体連主催:全国中学校柔道大会の前身)で優勝。高校時代には九州大会優勝、国体3位。大学時代は全日本体重別出場などケガと戦いながらも充実したキャリアを重ねる。大学卒業後、母校九州学院で教鞭をとり、柔道部ではコーチとして恩師を支え中学・高校日本一のチームづくりに貢献する。昭和55年に監督就任、全中柔道大会団体優勝2回、個人優勝2回(ともに中学校)、インターハイ団体準優勝2回、個人優勝3回、全国高校柔道選手権大会団体準優勝1回、個人優勝2回、金鷲旗大会優勝1回、世界ジュニア柔道選手権出場、中国国際柔道大会個人優勝など全国トップレベルの実績を残す。西日本新聞スポーツ賞、熊日スポーツ賞、小さな親切運動実行賞受賞。保健体育科教諭。生活指導部長。熊本県柔道連盟理事。 若者へのメッセージ 「目の前のモノ・コト・ヒトを大切に」 |
T1park記者
3年間の柔道部生活で生徒に変化はありますか。 石橋 これも本当にありがたい話なのですが、中学校の時には手をつけられない悪ゴロと言われていたような生徒が変わりましたねと言われるんですよ。中には成績も生活態度も悪い子もいますからね。最初は大変です。でも子供って素直なんですよね。勉強が嫌いな子供というのは意外とその教科の先生が苦手という子もいるんですよ。逆にこの先生が好きだとかこの先生のようになりたいという気持ちがあると話を聞くものです。叱るときには本気で叱らないといけないし、本当に親身になって接して、冗談も言いながら、頑張ったらほめてあげてと普段からしっかりコミュニケーションをとっておくことです。生徒が「この先生に嫌われたくない」と思い始めたらしめたもんですね。教師だからといって偉いわけではないし、自分は先生だからとふんぞり返っていては生徒も離れていきます。単に教科を教えるのが先生ではなく人生の先輩として本当に親身になって接していけば生徒はそれを感じてくれるし慕ってくれると思います。 |
T1park記者
人と人の信頼関係を築くことが大事ということですね。 石橋 はい。ひとりひとりに本気で接することです。学校では先生が親ですからね。子供を思わない親はいないでしょう。親は子どもに無償の愛を与えるものです。どんな悪い子でも親は一生懸命子供を愛するじゃないですか。生徒も一緒です。先生が最後まで一生懸命接したら生徒はそのことを忘れません。私はそういう気持ちでやってきました。今は生徒指導部長という立場になり担任を受け持っていないのですが、担任を持っていた時の方が楽しかったですね。石橋組とか石橋軍団とか言われくらい結束を固めてですね。若い先生たちにも生徒としっかり向き合い人間関係を作っていってほしいですね。 |
T1park記者
若者への応援メッセージをお願いします。 石橋 いい友達をいっぱい作りなさい。終わったことはどうにもならないし、先にことは考えてもわからない。だから今を大事に生きる。目の前のヒトやモノ、コトを大事にするんです。野球のイチロー選手はバットやグローブなど道具をとても大事にするそうですね。道具を大事にすると道具が味方してくれるのだそうです。柔道でもよくあることです。強い人間が必ず勝つとは限らない。運が味方してくれるような人間になるにはすべての事柄に感謝し、色んな人の話を聞いて、たくさん本を読んで、自分の目で世の中の現象をよく見ること。そうすると見えてくることが沢山あります。親から、先生から、あるいは目上の方から言われることは若い時には分からないかもしれません。自分で実践しないことには自分のものにはなりません。 明るくいることも大事です。常にニコニコしている人は周りや運が味方してくれる。逆に不満ばかり口にしている人は常に不平不満を抱えている。これはすべて自分に原因があります。すべては自分が引き寄せていることです。人生要は自分がどう生きるかです。人がどうだとかではなく自分がどう考えどう行動するかが大事だと思いますよ。 T1park記者 ありがとうございました。 |