春高ではコートやチームに活気があり、「信愛=ノリのチーム」としても注目を集めました。
精神的な弱さをごまかすために騒いでいるところもあるのですが、皆が前向きに試合に集中できるよう雰囲気作りを心がけました。随分と色んなチームに「変わってますね」と言われましたが。笑
全国3位という結果をどう受け止めていますか。
表現が難しいところですが、悔しいと言うよりも申し訳ないですね。生徒、選手に申し訳ないという気持ちです。もっといいチームの状態をつくってあげれたら、その思いが強いですね。どれだけ思い切りできたのか、楽しめたのか。試合に出た選手もそうでない選手も皆が本当に満足できなければいけないと考えています。
厳しい指導ではないということですか。
伊豆丸監督
私たちは優勝したわけではありませんし、この方法が正解とは言えません。ただ最終的に試合をするのは選手自身です。スポーツの世界ではよくあることですが、緊張などから自分たちが持っていると思われている力の半分も出せずに敗戦をしてしまうということに対して疑問を持っていまして、じゃあ逆転の発想でやってみようと。
伊豆丸イズムを理解しろ、という風に押さえつけることはしないということですか?
伊豆丸監督
正直に言うとそういう部分も必要だと思うんですよね。基本的な事や戦術はしっかり伝える必要がありますが、伝え方はそれぞれ合わせなければいけません。同じように言うことが不公平になることだってありますし、捉え方もひとりひとりの性格によって違いますよね。今の子達はなんでも与えられて生活してきていると思いますから求める気持ち、ハングリー精神のようなものは少ない印象を受けます。自ら求めるようになればもっとその子の素晴らしい事が見えてくるんじゃないかなぁと思います。
指導する際に1番大事にしていることは。
伊豆丸監督
自ら「求める」ということです。求めるという気持ちは人を早く成長させるし、できた時の喜びは格別です。選手の自主性、悪く言ったら監督のサボりですよね。笑 同じ事をやっても「求めて」やったこの方が早く成長しますし、求めない子はちょっとずつしか進まない。
それから生徒には「考えろ、悩むな」ということを伝えたいですね。悩んでも答えは出てこないですし、考えて行動して初めて○か×か答えが出るわけで。それが△の時もあるかもしれないけど「悩むより考えて動いたほうがいいよね」って今はそういう風に思います。選手が自分で考えてやってみてそれで足りないんだったら「手を貸すよ」「それでできなかったら一緒に考えるよ」と。そこまでの過程を大事にしたいですね。
T1park 記者 そうした考えになるきっかけは。 伊豆丸監督 なんとなく皆が諦めムードの試合がありまして、1セット目を落とした2セット目22対16とリードされた場面である選手がピンチサーバーでサービスエースをとりましてね、もの凄いガッツポーズを見せたんですよ。それはもう笑っちゃう位の喜びようで。 そこからチームの雰囲気と試合の流れが変わって逆転勝ちしたんですけども、実はその子は1年生からエースを務めていた選手なんです。ケガや後輩の成長などでレギュラーから外れ、それを乗り越えて試合に出たわけですが、自分の1プレイ1プレイに喜びを感じ、しかも皆に伝わる喜びを出してくれて。1プレイでムードが変わることもあるんですね。 |