【プロフィール】
1955(昭和30)年7月23日生まれ。 御船町出身。国立音楽大学作曲科、ウィーン国立音楽大学作曲科卒。ウィーン市立音楽院指揮科修了。ニューヨーク・カーネギーホールやヨーロッパなど国内外で活躍。1989年オペラ「細川ガラシア」をはじめ、「NHKみんなのうた」など作品は幅広く、米国・モンタナ州ボーズマン市「名誉市民賞」、「くまもと県民文化賞・特別賞」など受賞。2011年にはNHK熊本放送局「くまもと歌物語~わが心の熊本メロディー~」の指揮・編曲・音楽監督を務め、NHKワールドプレミアムにて世界放送。2013年3月にはウィーン楽友協会大ホール(ムジークフェラインザール)で「ファゴット協奏曲」が演奏された。 若者へのメッセージ 「つぶしの利く人間になれ」 |
T1 park 記者
平成音楽大学の近況は。 出田学長 九州唯一の音楽大学として1972(昭和47)年に開学し、42年目を迎えました。近況といわれても、毎日がイベント・コンサートのようなものですから数えきれないほどあります(笑)。 あえて言いますと今年は10月に開催予定の熊本オペラ芸術協会「魔笛」公演があり、それに向けて準備中です。オペラは、オーケストラ、歌、衣装、踊りなどを結集した総合芸術です。資金、時間、そして情熱を注ぎ込み、在学生・卒業生と教員など総勢400人が全学一致で公演に携わることになります。今回の公演は、元々ヨーロッパで生まれたモーツアルト作曲の作品に、火の国・水の国、阿蘇や天草などを取り混ぜながら設定を変えていくという、新しい試みのオペラになります。 |
そして、音楽大学ですから何よりも「音」を学んで欲しいです。音によって人を楽しませること、喜ばせることを使命としています。ですから「音楽の力」を学び、「音」がいかに役に立つかということを実感してもらいたい。学生には音楽によってコミュニケーションしなさいと日頃から言っています。音楽は万国共通ですから、日本だけでなく、海外に行って学んでもらいたい。西洋音楽の原点はヨーロッパです。本物を聞いて、見て、触れて、感じて、感動して頂きたい。感動する心を持って欲しいですね。
音楽を学ぶことによって「柱」を培ってもらいたい。毎日がチャレンジの繰り返しです。最後までやり通す「諦めない心」を持ち、一生懸命続けることです。 |
T1 park 記者
学長が学生時代に頑張り、今の自分にとって役立っていると思うことは。 出田学長 東京の学生時代は大学で勉強する傍ら、音楽によって人を喜ばせ、楽しませることを学びたかった。昔はカラオケが無かったでしょ。それで夜のクラブやキャバレーで演奏したり、芸能界の編曲の仕事をしたり、裏の世界で学んだんですよ。社会において大衆を大衆から学ぶことにエネルギーを注いでいました。 音楽は芸術性のある音楽から大衆性のある音楽まで裾野が広い。老人ホームやケアハウス、飲み屋、バッハ、ベートーヴェン、AKBから演歌まで「音楽は同等である」と思っています。原点のドミソは常にドミソです。やっていることは全て一緒で、人々を喜ばせることが大切なんですよ。 |