【プロフィール】
1947(昭和22)年4月2日生まれ。熊本市出身。済々黌高校‐熊本大学法文学部卒。1971年熊本日日新聞社入社。政経部長兼論説委員、人事局長などを経て、2003年取締役編集局長、2005年常務、2010年専務。2011年ホテル日航熊本代表取締役社長、2013年同会長。2011年11 月から熊本商工会議所会頭を務める。2013年全国で177人目の名誉ソムリエに選出。2015年6月熊本県サッカー協会会長。趣味はお酒、マージャンなど。 若者へのメッセージ 「青春に全力で挑め!」 |
T1 park 記者
展望は。 田川 今から日本は観光だと思います。国外からのインバウンドでみますと熊本は2003年が14万7千人だったのが、2013年には42万3千人と10年間で約3倍にも増えていて、さらに2013年からもっと増えています。また当ホテルの外国人の宿泊者数の割合でみると2012年には8.9%だったのですが、今年は現在既に20%を超えている状況です。これは今後さらに増えていくと思っています。 そんな中、ホテル日航熊本のスタッフは、英会話や中国語会話がしっかりできるようにグローバル時代に見合ったホテルマンとしての人材育成に継続して取り組んでいきます。 T1 park 記者 仕事をする上で大切にしていることは。 田川 そうですね。一番大切にしていることは、「誠実」であることでしょうか。これは私が新聞記者時代の頃から思っていることですが、自分が相手に対して、誠実な対応を徹底して行うことで、相手の方も誠実に対応してくれます。そこでお互いに「信頼」関係ができていくと思うんですよ。そして、それが、「人脈」へと広がっていくのだと思います。 |
それから、自分自身の男としての人間の幅を如何にして広げていくかが大切だと考えています。「度量の大きい人間になりたい」と思ってきたわけです。取材をする中で素晴らしい方々と出会って、その尊敬するような人の物事への考え方や応対、表現の仕方、行動に至るまで学び、吸収してきましたね。私はまだまだ途中ですよ。
転勤や部署異動などで人脈がぷちっと切れる人もいますが、これまで培った人間関係を切ってしまってはもったいないと思うんです。一度培った人間関係はずっと引き継いでいくことが大切です。年中のご挨拶や時には杯を交わすなど、人間関係のメンテナンスをやり続けていくことで人間関係がずっとつながり、人間の幅となります。ずっと人脈が生き続けることが、色んな仕事や人生の時折々で生かされてくるのだと思います。
T1 park 記者
若い頃に経験した人生のターニングポイントは。 田川 実は済々黌にどうしても行きたくて、浪人をして済々黌に入学したんですよ。大人になってからもターニングポイントは色々あったのですが、後で振り返って考えてみると、そこが人生で初めてのターニングポイントだったように思います。 どういうことかと言いますと、そこそこ勉強も器用に出来ていましたので、ちょっとやれば成績も直ぐに上がっていました。だから自分の中でどこか人生を軽く見ていた部分があったと思うんですよ。それに済々黌は校区外だったし、中学時代はテニスばかりしていましたからね(笑)。それで受験に失敗したわけです。悔しくてたまりませんでした。そこで初めて人生の壁のようなものにぶつかったような気がします。そこから、勉強を暗記するのではなく、理解して取り組むようになり、勉強とは何かということに気付き、自然と学力が身に付いていきました。それからは高校、大学と割と真面目にやるようになりました(笑)。 |
T1 park 記者
若い頃に頑張られたことで、今の自分にとって役立っていると思うことは。 田川 大学4年間の1年間は全学ストライキでした。あの時に政治に対する関心を肌で感じて、色々な矛盾点を見つけてのめり込んでいくわけですよ。それが新聞記者になりたいと考える切っ掛けになったわけなんです。 学生運動の最前線で夜遅い日々が続き、ある日、親に心配を掛けたことがありました。私の心情として両親には心配を掛けないことが親孝行だと強く思っていましたので、その日を境に途中で学生運動を辞めたんですよ。しかし、最前線から手を引くわけですから、それで一緒にやってきた多くの親友を失ったのは辛かったですね。 T1 park 記者 働き始めてからはどんなことを頑張られましたか。 田川 ひたすら酒を飲んで、語り合い、人脈づくりに励みましたね(笑)。同業者や取材先と毎晩毎晩飲みましたね。人間というのは不思議なもので、3日に1回は自信を無くすんですよ。そんな仕事が手につかない時には、私を認めてもらっている取材先の人などと飲みに行くんですよ。そこで、自分の存在感を認識することで、やる気が湧いてきて、また頑張ろうという気持ちになっていました。 |
これを是非若い人にはやってもらいたいですよね。人間必ず壁にぶち当たります。そして誰もが一人では絶対に乗り越えられません。もうどうにもいかない時には、白旗を挙げて助けてくださいと相談すれば良いんです。そうすれば、必ず誰かが励ましてくれますから。そして、また立ち直って頑張っていけば良いわけなんですよ。
T1 park 記者
今年6月に熊本県サッカー協会の会長にも就任されましたね。 田川 はい。熊本県サッカー協会会長としては3つの目標があります。一つは、熊本をサッカー王国にするという気持ちです。次にサッカー協会専有のサッカー場を持つことです。そして、もう一つは東京オリンピックでサッカーチームのベースキャンプを誘致するために働きかけていくこと、この3つを目指して取り組んでいきたいと思っています。スポーツが盛んな熊本のサッカー人口増加にも寄与していきたいと思っています。 T1 park 記者 若者への応援メッセージを。 田川 吸収力の高い若い頃には、青春に全力で挑んで欲しいと思います。つまり、その年代年代でしか取り組めないことに全力を挙げて挑んでもらいたいということです。例えば、会社の入社試験をする時に思うのですがね、「アルバイトを通して社会性を身に付けてきました」と多くの学生が言うんですよ。しかし、本来は大学の時には勉強をし、青春を楽しまなければいけないと思います。高校生や大学生の時に大人がやるようなことをやったらもったいないと思います。それぞれの人生のその時どきに自分が何をするべ |