細江 守紀 熊本学園大学 学長 【プロフィール】 1945年12月1日生まれ。74歳。福岡市出身。 福岡高校-九州大学理学部物理学科卒、その後同大学経済学部経済学科卒。 1975年同大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。 1977年八幡大学(現・九州国際大学)法経学部助教授。 1981年九州大学経済学助教授、 1989年九州大学経済学部教授。 1999年九州大学大学院経済学研究院教授、 2000年九州大学大学院経済学研究院長(2002年3月迄)、 2009年定年退官、名誉教授。 2009年熊本学園大学経済学部教授、 2014年同大学経済学部長(2016年迄)、 2016年同大学特任教授。 2020年8月同大学学長に就任。 専攻:ゲーム理論・法と経済学。 自分をしっかり持って 自分の人生を生きよう |
コロナ以外では、地域からますますの支持をいただけるような活動に取り組んでいます。本学は入学者の8割近く、また卒業し就職する約7割が熊本県内。その特性を活かし、これまで以上に地域発展の中核となる人材を育成していき、2年後に控える本学80周年をより良い状態で迎えたい。
幸いこの少子化の中でも近年、本学への志願者は増加しています。それはやはり、県内1位を誇る熊本県における社長輩出数に見られるように、地域に貢献してきた実績によるものと自負しています。
そして次に「研究」、これはもちろん大学は研究機関でもありますから、その本義を高めるということですね。ただ地域に根ざした大学と言っても、この研究に関しては、県内に閉じこもっていると閉塞してしまう。ですから既につながりのある熊本大学や熊本県立大学はもちろん、九州各県および西日本など、より広い地域の大学と連携していく必要があると考えています。福岡の大学で学び教えた経験のある私は、幸い熊本県外の大学にも様々なつながりがありますから、これは自分の使命として推進していきたいですね。そして本学が熊本県民はもちろん、様々な地域の学生からも志望してもらえる「知的拠点」になることを目指しています
物事を決めつけるのではなく 柔軟に捉えることが大切 ―座右の銘は。 細江 格言のようなものは何もありませんが、「人間の信念って、変わるものだ」ということは、今あらためて思うことです。 大学以降は本当に自分の興味優先で生きていて、そうでないと自分という存在が危うくなるような感覚がありました。周りに「エゴイスト」と言われることもありましたが、それでも良いと思っていました。 だけど、教える側になると自分のことばかりではダメなんですよね。相手の気持ちや立場を考えられないと、人に教えることなんてできないわけです。そうした経験の中で、「相手を慮ること、フェアに接すること」も大切なんだなと思うようになりましたし、その後の教育者としての人生の中で、自分以上に「社会のため、世の中のため」になることをしたいと思うようにもなりました。 自分を大切にするのはもちろん大事ですが、そんな風に信念というのは変わっていく。だから「物事はこうだ」と決めつけるのではなく、柔軟に捉えることが大切なのかなと思います。 |
細江
今は本当に情報過剰で、その取捨選択が難しい大変な時代だなと思います。そんな時代だからこそ、周りに流されず自分で考え、自分の意見をしっかり持てる人間になって欲しいですね。先に言ったように人を慮ることは大切ですが、そのことと「安易に他人に同調すること」は別物ですから。
自分の考えを持てないと、本当の意味で自分の人生を生きることはできないと思うんです。同調圧力に流されず、自分で考え自分で決めて、悔いのない人生を送って欲しいと思います。