またコンサルタント時代、経営者がいつも人材教育に頭を悩ませていることを思い知りました。何よりも最大の経営資源は「人」ですから、そんな「人」を育てる仕事はあらゆる事業の根幹とも言えます。そうした考えからまだグループを継承する前に、26歳で立ち上げた企業が『サクセスリンク株式会社』。個別指導『明光義塾』の経営権を地域限定で持つ会社です。
そのサクセスリンクは現在、熊本県内で13の教室を運営。この少子化の中、平均生徒数・売上共に全国の明光義塾中、トップレベルとなるまで成長しました。また同社は、医療介護福祉分野として『ほねつぎ鍼灸接骨院』のフランチャイズ権も取得し、県内に3店舗を運営しています。そうした比較的新しい事業を含め、丸光グループは今まさに1次から6次産業までをカバーしており、サクセスリンク起業前から目標としていた10社で既存売上の5倍、「全体で100億の売上」を昨年、ついに達成しました。
サクセスリンクは今、私が会長で妻が社長を務めており、人物教育においては私よりも妻の方が精通していますよ。『人物教育研究所』という社団法人の代表理事も務め、より良い教育の追求・普及活動にも従事しています。そうした成果を社員・アルバイトの方々にも浸透させ、生徒達はもちろんスタッフみんなも、より自分に誇りを持つことができ、命を輝かせていけるような教育…私たちは「感動教育」と呼んでいるんですが、そんな教育を今後いっそう、推進していきたいですね。また子供たちだけでなく子育てに悩むお母さんや、企業・医療関係団体等の社員教育など、対象を様々な分野へ広げていきたいです。
玉名高校時代。伝統の体育祭で、青団の総合責任者を務めた。
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周りから孤立した経験も
大きな学びにつながる ―熊本の現在と未来について思うことは。 人材流出など様々な問題を抱えている熊本ですが、ポテンシャルは非常に高いと思うんです。豊富な水資源と高い食文化を持ち、農業・工業はじめ様々な事業に適している、地理的にも九州の中心に位置している、など。かつては実際に九州の中心であったわけで、経済・文化においても九州の都となり、重要な拠点になる可能性を持つと感じています。 ですから自分も含め、そんな熊本の魅力を若者にもっと知ってもらえるよう頑張らなくては、と思いますね。そして熊本で働く若者を増やしていきたいと。ただ、一度県外に出ていくのはアリだと思うんですよ。私自身そうでしたが、他県を知ってこそ地元の良さが身に染みるものですから。 |
学生時代はとにかく、やりたいこと、興味を持ったことはどんどんやっていました。たくさん失敗もしましたけどね。中学時代の野球部主将など、リーダー役を担う中で周りから孤立したこともありました。まあこれは自分のせいなんですが、そうした辛い経験を経たことで、得たもの、見えるようになったものも大きいんですね。人間関係の作り方だったり、自分が何をしたいのか明確になったり。
ただ学校の勉強は大嫌いだったので、大学受験は失敗ばかり…日本大学の2部(夜間)だけ受かり、そこに進学しました。でも頑張れば昼間の部に転部できると聞いて、それからは猛勉強しましたよ。結果、特待生として学費免除での転部に成功。また大学時代は人間の潜在能力開発や心理学についてもかなり勉強し、それは後の「教育事業への興味」にもつながっています。
経営者というのは孤独な存在で、「意思決定」が一番大切な仕事なんですが、やはり迷うものです。そのために必要なのが哲学、つまり「問題を解決するための軸を持つこと」だと思うのですが、そうした自分の人生哲学を持つ上で、これまでの様々な問題や試練が成長の糧となり、今に役立っていると感じています。
私がそうだったように、自分がやりたいこと、ワクワクすることにはどんどんチャレンジして欲しいですね。失敗したり落ち込むこともあるかもしれませんが、そうした経験からこそ得られる、大きな学びがきっとあるはずです。そして自分の長所や強みを活かし、人の役に立つ生き方を目指して、一度限りの大切な命を燃やして欲しいと思います。(インタビュー/2020年3月7日取材)