しかし皆さんもご存知の通リ、携帯業界は大きな変革の年を迎えています。新たな携帯キャリアの参入、5Gプレサービス開始、分離型プランヘの移行…。さらにオンラインでの購入も広がっていますから、私たちのような実店舗型のビジネスは変化せざるを得ません。例えばですがマニュアル的な販売接客ではなく、お客様1人ひとりに寄り添った接客を行うスキルアップがショップスタッフに求められています。そういった対策を取った上で、DNSは中期計画として「3年後に店舗数増」を目標とし、携帯業界における九州のリーディングカンパニーを目指しています。
本気で信頼されると 人はそれに応えようとする ―今後、特に力を入れていきたいことは? 米澤 グループとして言うと、熊本地震のため休場を余儀なくされていた『くまもと阿蘇カントリークラブ湯の谷コース』の創造的復興です。 ここは67年と、熊本で最も歴史あるゴルフ場として地元の方はもちろん、名匠・井上誠一氏監修のゴルフ場として全国のファンの皆様にも愛されてきました。現在、そういった多くの方の応援·ご支援の下、土木工事、フェアウェイ·グリーン修復、コースの改修を随時行っています。そして「ワクワクするリゾートゴルフ場」をコンセプトに来年、2020年春の再開を目指しているところです。また復旧を記念しての、新会員も募集中です。そして「ワクワクするリゾートゴルフ場」をコンセプトに来年、2020年春の再開を目指しているところです。また復旧を記念しての、新会員も募集中です。 |
米澤
経営者としての立場から言うと、「人を信じて任せること」です。
どれだけ本気で部下に任せることができるか。部下を信頼し、任せ、承認する。本気で信頼されると、必ず人はそれに応えようとしてくれると思うんです。だから社内で社員と接する時は、信頼が相手に伝わるようなコミュニケーションを心がけています。
また「ものの捉え方が変わる瞬間を見極めること」。現状に満足することなく、時流の変化やお客様のニーズを先読みしながら、常に新しいことに取り組んでいく。そういったチャレンジ精神を大切に持ち続けていかなくては、この変化の激しい時代に経営はやれないと実感しています。
「行動力」「実行力」により
多くの貴重なことを学べた
―熊本の現状と未来に思うことは?
米澤
熊本地震から3年が経ち、経済も復興の兆しが見えてきていますが、県内の中小企業では経営者の高齢化がますます進み、事業承継の問題が取り沙汰されています。全国的にも5~6年後は、中小企業の約6割以上の経営者が70代になると言われている時代ですからね。
このまま後継者を確保できず廃業が相次げば、県内の雇用と経済の活力が失われかねません。ですから我々世代の経営者を中心に地域·経済交流を図っていくことで、未来の熊本経済の活性化を図っていかねばと思っているところです。そして、父親世代の経営者が築き上げてきた経営理念は引き継ぎつつ、次世代の熊本経済界を作っていければと。
県内に私と同世代の経営者は意外といるもので、既にそういった方々との交流の機会も多いんですよ。異業種·異業界の彼らと接することで、知識も視野も広がっていきますから、いち経営者としても助かっています。
―学生時代の、今に活きる「学び」を教えて下さい。 米澤 九州学院時代は「サッカー」、大学時代は 「語学」、留学時代は 「国際交流」と、学生時代は遊びでも勉強でも、好きなことにがむしゃらに取り組んでいました。 サッカー部での練習は非常にキツいものでしたが、おかげで体力と根性を養え、今に続く固い人間関係を築くこともできました。また大学卒業後の2年間のシドニー留学の際は、あえて日本人が全くいない学校を探し、手続きも全て自分でやりました。多くの海外の学生と時間を共にしたおかげで、経営者として大切な「グローバルな発想力」が身についたと思っています。 「何ごとにも興味を持ち、実行に移す」という学生時代に培った「行動力」により、まさに今に活きる、貴重なことを多く学べたと実感しています。それゆえこういった「実行力」は、私の経営哲学の基礎となっています。 |
実は近道かもしれない
米澤
「不易流行(ふえきりゅうこう)」です。松尾芭蕉の言葉で、不易とは変わらないもの、流行とは変わっていくもの、不変の心理を知らなければ基礎は確立せず、時代の変化を知らなければ新たな進展がない。しかもこの不易と流行の根本は一つであるという思想です。
経営に置き換えると、「創業の精神や企業理念はしっかりと継承しつつ、時代の流れに沿ったチャレンジを忘れないこと」と言えると思います。当グループは先述のように様々な企業から成りますが、「社是(「誠実 創造 躍動」)」、および地域貢献·質の追求·成長発展を旨とした「経営理念」は、創業時から今も変わりません。これらはグループを1つにまとめる指針となっており、その上で「不易流行」にふさわしく、常にイノベーションを続けるグループでありたいと思っています。
米澤
何かやりたいことがあるのであれば、ちょっと無理をしてでも今のうちに、経験しておくことをお勧めします。
それで失敗や挫折を味わっても、遠回りに見えたとしても、振り返れば近道だったりするものです。私も留学や広告代理店勤務と、現在の役職に就くまで20年以上の道のりを歩んできました。ですが先に述べた部活や留学はもちろん、広告代理店での経験も今に非常に役立っています。広告を通じいろんな企業のトップの方と接してきたおかげで、経営者に必要な多くの視点を学ぶことができましたから。
そんな貴重な経験をたくさん積み重ね、他の何にも代えられない自分だけの財産を、若い皆さんが形成してくれることを願っています。