取材時、集中して筆を走らせる村上さん。 真和高校書道部の仲間たちと一緒に。 村上さんの書く、呉承泰「山行柬周煉師」。 美しい文字が半紙に並んでいく。 王維「友人雲母障子」。昨年の熊本県揮毫出品作品で、部活の後も毎日学校に残り、100枚以上練習したほど力を入れた一枚。 | 【プロフィール】 2004年5月5日生まれ、17歳。合志市出身。真和高校書道部在籍。 【実績】 第30回全国年賀はがきコンクール 文部科学大臣賞受賞(2013年) 2018産経ジュニア書道コンクール 文部科学大臣賞受賞 2019産経ジュニア書道コンクール 文部科学大臣賞受賞 第40回熊日新鋭・学童書道展 新鋭の部 特選受賞 その他受賞歴多数。 「双方向的な作品を創る 書道家になりたい」 ――近況を教えてください。 村上 今年は全国規模の書道コンクール・展覧会があるので、それに向けて筆遣いを中心に練習中です。中学と比べて高校では字体も変わってくるので勉強の毎日です。直近では、『第37回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会』という全国規模の展覧会にも出展します。 話は遡りますが、中学2年生の頃『2018産経ジュニア書道コンクール』で最高賞である文部科学大臣賞を受賞したことで、合志市の市長に表敬訪問をさせていただきました。その際市長から直々に、市民へ送られる感謝状を書いて欲しいとご依頼を頂きました。現在までに書いた感謝状は4枚です。相手の顔は見えないけど、感謝の気持ちが届くように思いを込めて書いています。 ――書道を始めたきっかけは? 村上 幼稚園に入る前に、母を真似して文字を書くことが好きでした。その姿を見た母が、近所の習字教室へ通わせてくれたことがきっかけです。その後幼稚園に上がってから応募した『全国ひらがな・かきかたコンクール』で初めて賞を頂き、改めて文字を書く楽しさを実感し、今も書道を続けています。 ――村上さんにとって書道の魅力はなんですか。 村上 文字を通してたくさんの人に元気を与えれる力があるところが、書道の魅力だと思います。2016年の熊本地震の後、熊本日日新聞社主催で開かれた『第40回熊日新鋭・学童書道展 新鋭の部』で特選を受賞した際、新聞に掲載された私の字を見て、「勇気づけられた」という声をいただきました。この経験から私の文字が届いた方、見た方に、元気になったと言って貰える文字を書きたいと思いました。 ――現在力を入れていることはなんですか。 村上 書体によって筆使いを変えること、そして言葉によって文字の雰囲気を変えることに力を入れています。硬筆のコンクールがある時は硬筆も練習しますが、現在はほとんど毛筆を練習しています。 現在は高校の指導者の古川先生と中学1年生時からお世話になっている吉澤蒼雲先生、二人の先生から書道を教わっています。中学の時に先生が吉澤先生へと変わったタイミングで筆使いが変わり苦労しましたが、吉澤先生が熱心に指導してくださったことで、今の文字が書けています。そして古川先生からは、ただ書くのではなく文字に気持ちを込め、体を使って表現することを教えていただきました。お手本などもそれぞれ違い、向けることも違うのでとても勉強になっています。 ――書道を通して学んだことはなんですか。 村上 思うような文字が書けず悔しい思いをすることが今までたくさんありましたが、その中でも諦めずに努力をし続けることで成長できていると感じます。また、文字を書く時には心を落ち着け、無心になって作品に集中しています。時には一日中書道に没頭することもあるので、その中で集中力と継続力が身についたと思います。 ――今後の夢を教えて下さい。 村上 今後の夢は大学で書道についてより深く学び、書道家になることです。私の作品を見る方・貰う方がどんな作品を求めているかを考え、人に訴えかけられるような双方的な作品を作っていきたいと思っています。この夢を叶えるため、今後の高校生活では勉強も頑張り、書道専攻のある筑波大学へ行きたいです。 |
Writer R.Maruyama