T1記者:昨年11月の世界選手権優勝おめでとうございます。試合を振り返ってみていかがですか?
ありがとうございます。そこまでの結果を出せるとは思わなかったから素直にビックリしたし、嬉しかったです。 私は個人戦と団体戦に出場し、個人の方で優勝を果たすことができました。個人戦は予選6ゲームを行い上位4名がセミファイナル(準決勝)に出場します。セミでは1位と4位、2位と3位がそれぞれ1ゲームずつ戦い、勝ったほうがもう1ゲーム戦います。予選とセミは2日間に渡って行われるので、モチベーションを保つのが難しかったです。 ファイナル(決勝)に進んだ時は、初めてということもあり緊張しました。前夜は早く寝たのですが途中で目が覚め、翌日のことを考えたら緊張して眠れなくなりました。当日も力が入っているなという感じはありました。 ファイナルの相手はセミの時に好ゲームだったデンマークの選手でこちらも油断できないと思い、気合を入れ直しゲームに向かいました。金メダルまであと一歩という状況にまた緊張しましたが、女子団体のキャプテンから「日本からみんなが応援しているよ、がんばって」とエールをもらい、力になりました。相手も緊張しているのが伝わってきました。このまま縮こまって自分の力が出せないまま終わったら絶対に後悔すると考え、「この場を楽しもう」と気持ちを切り替えて、思い切ってプレーしました。 優勝が決まり後ろを見た時の、キャプテンが泣いて喜んでいた姿がとても印象深いです。喉から手が出るほど欲しかった世界選手権の金メダルを獲る日が来るなんて、夢のようでした。 |
T1記者:ボウリングを始めたきっかけは何ですか?
父がアマチュアの選手としてやっていました。小さい頃から父のプレーをよく見に行っていて、物心ついた時には自分でもやってました。本格的に始めたのは小学3年生からです。 T1記者:ボウリングの魅力を教えてください。 ボウリングには、ただ1つの正解というものがありません。投げるフォームもボールの回転も。課題が見つかっても、それを克服して乗り越えても次へ次へと課題が見つかります。そこがボウリングの楽しさであり、魅力でもあります。 試合においては勢いのある選手が勝つ場合もあるし、経験を積んだ人が勝つ場合もあり、誰が勝つかわからないというのもボウリングの魅力です。 |
T1記者:練習はどのようにしていますか?
日数で言うとだいたい週4回程度、投げれる日はなるべく投げるようにしています。ボウリング場でバイトしているのですがバイトが無い日はもちろん、バイトがある日もその前に練習しています。 練習内容で気をつけているのは、力でボールを振るのではなくボールの重みでスイングすることです。また、休みを取るのが下手で体に無理をしてしまいがちなので、投げ過ぎないように心がけています。 その他に筋トレやウエイト、ランニングなども行います。これらトレーニングを行うことによって体が安定しやすくなり体力がつくため、多くゲームの回数を重ねても耐えられるようになります。さらに言うと、筋トレはメンタル強化にもつながります。きついセットをやる時に途中で止めたくなるけど、そこを我慢して続けることでメンタルを鍛えられ、競技にも影響しているはずです。 |
T1記者:ボウリングを通して得られたことを教えてください。
ボウリングを通して出会えた人たちや考え方です。精神的なものが影響する競技なので、考え方や精神的なものは試合を重ねることによって鍛えられました。まだまだではありますが、ネガティブなことをポジティブに考えることが出来るようになりました。 また、いろんな海外試合を経験したことで世界中にたくさんの友人ができました。言葉は通じないのですがSNS上で彼らに優勝を祝ってもらい、すごく嬉しく思いました。 T1記者:今の課題を教えてください。 メンタル面での課題は、つい気負ってしまうところです。ここで自分が勝たなきゃ…とか考えてしまいます。そしてそんな時には、やっぱりことごとく負けてきました。 技術面ではボールのコントロールとブレない体、フォームにおける腕の動かし方を一定させるというのも今の課題です。 |