T1記者:昨年11月の全日本選手権3連覇、おめでとうございます。試合を振り返っての感想をお願いします。
3連覇は正直狙っていましたが、今年が一番危なかったです。年々背も伸びるし体重も増えていく、でも一つ上の階級は攻撃の重さが違いますし、下の階級はスピードについていくのが難しいので、今の階級にはこだわっています。なので減量には特に力を入れました。 普通はまず減量を成功させ、その体重に合わせて練習していくんですが、今回はとにかく減量ばかり。それもあって思うように動けなくなってしまい、1回戦はラスト10秒でやっとの逆転勝利。その後も逆転を続けなんとか優勝を決めたので、嬉しいというより「自分の階級(-68kgライト級)を守れた」という気持ちの方が強かったです。 T1記者:テコンドーを始めたきっかけを教えてください。 小学1年の冬からですが、その前はクラブチームでサッカーをしていました。でも少しやんちゃをしていた時期があり辞めてしまって、その時に親から「武道をやりなさい」と言われたのがきっかけです。 たまたま家の近くにテコンドーの道場があり、訪問した際にビデオを見せていただいたのですが、そこに映っていたのが今の自分の先生・樋口清輝さんという、2000年シドニーオリンピック出場選手の姿でした。「カッコイイ、自分もこうなりたい!」…そんな憧れから始めて、今も同じ道場で続けています。 実はバスケも好きで小6から中3、そして高校でも今年からバスケ部に所属しています。バスケは走ることが多いので、減量の面などでテコンドーにもすごく役に立つんですよ。 |
T1記者:テコンドーの魅力を教えてください。
テコンドーは「1ラウンド2分」の「3ラウンド制」ですが、空手や柔道と違って途中で「止め」が入ることもなく、蹴り合いを続けます。見ている側もやっている側も、スピード感や緊迫感をずっと楽しめる、そこが魅力だと思います。 T1記者:練習の際、特に気をつけていることはありますか? 一度ケガのせいで、思うようなテコンドーができなくなった経験があるんです。それ以来、まずは何よりケガをしないように意識しています。 またテコンドーのルールがこれまでと少し変わって、もっと攻めていく必要が出てきました。今まで以上に体力がないと厳しくなるので、最近は走り込みや階段ダッシュを中心に練習しています。 |
T1記者:今後の課題と思うところは?
先日監督にも怒られてしまいましたが、たまに練習をサボるクセがあります(笑)。全日本選手権の前に阿蘇で国際大会があったんですが、韓国で一番強い高校の人たちに惨敗しました。左足の靭帯を傷めていたのもありますが、「この人たちには敵わない」と思いました。期待されていた分、負けてみんなを裏切った気がしました。学校の友人からは「足が治っていれば勝てたよな?」と声をかけられましたが、自分ではそう思えず…そこから練習を少しサボるようになってしまったんです。克服していかないといけませんね。 T1記者:テコンドーを通して得たこと、学んだことはありますか? テコンドーを通して色んな人とつながりを持つことが出来ました。熊本はもちろん、全日本大会などを通して全国のいろんな人とつながれています。今年は合宿で韓国に行きました。そこで知り合ったことをきっかけに、今でも相談に乗ってくれる韓国の人も多くいます。人脈がすごく広がりました。 |