自転車はとても便利な乗り物ですが、誤って事故を起こすと大変な目に遭うこともあります。
ここでは、皆さんの普段使う自転車に関わる交通安全のお話をいたします。
1.交通事故情報
下の図は日本全国と九州で起きた交通事故の状況です。(令和3年)
熊本では年間39 名の方が亡くなっています。
全ての交通事故発生件数からの自転車事故構成率
22.8%
令和3年 熊本県全体の交通事故件数・・3,188件
自転車事故発生件・・487件
15.3%
※熊本県にて令和4 年に入り3 月末まで128件発生しており 構成率17.1%と自転車事故が増えている。
このような状況となっております。
さて、熊本では自転車事故で死者はいるのでしょうか?
そもそもなぜ事故は発生するのでしょうか??原因はわかりますか?
2.交通事故を起こす原因は?
幸いこの年は自転車事故での死者はいませんでした。
では、交通事故の原因は何が一番多いと思いますか?
実は、安全不確認です。
「いえ、ちゃんと見てますよ」と言われる方が少なくないです。
ではなぜ、安全不確認が一番の原因かというと、
実は。見ているつもりなだけなのです。
皆さんの視野角度のお話をします。若い人であれば、約200度の視野角度があると言われています。
ただ、真横にいる人がはっきり見えるかというと、そうではありません。
人間の視野には「周辺視野」、「有効視野」、「中心視」という3つの範囲があります。
私たちが識別できるものは大体片目35度と言われています。
その中で、特にピントの合う範囲を「中心視」と呼びます。
皆さんは中心視をどれだけ動かしているか。
雰囲気で見ているつもりでも、見落としてしまう可能性があります。
しっかりピントを動かして安全確認をしていただきたいと思います。
3.交通事故が起きやすい場所は?
正解は、交差点です。
市街地の交差点で自転車事故全体の58.9%を占めています。
1.車道・路側帯・歩道
皆さんが通らなきゃいけない基本的な場所は、「車道」です。
「歩道」は原則歩行者が通る場所です。
「路側帯」、これは自転車そして歩行者が通る場所として設けてあります。
通行区分が分かれている箇所ではしっかりルールに従ってください。
2.車道であれば、自転車は左側でも右側でも通行することができる?
答えは × です。
何が間違っているかというと、
自転車は、「クルマ」と同じなんです。
皆さんが乗っている自転車は、交通ルールで言えば「軽車両」という部類です。
それはクルマの中の一つです。
自転車走行の際は、車道通行が原則になりますので、日本の道路は左側通行が原則です。
車道の右側を走るのは違反になります。
もし、車道を通行するのが難しい場合、歩道を通れるような場所も道路上にはあります。
歩道を皆さんが通行するときは、この標識がある場合は通行することができます。
ただし、歩道のどこを通るべきかという決まりがあります。
歩道は、どこでも通っていいわけじゃありません。
歩行者の妨害をしないよう、「車道寄り」を通らなければなりません。
3.自転車安全利用五則
懲役 or 罰金が科せられる可能性がありますので注意してください。
しっかり頭に入れて安全運転心掛けていただきたいと思います。
1.自転車の交通事故で発生した賠償
熊本県の条例では令和3年10月より自転車保険への加入を義務化しております。
なぜ、自転車に保険加入が必要なのか?
事故を起こすと責任を問われることになります。
刑事上の責任の他、相手にけがをさせたりすると、民事上の責任も発生します。
具体的に皆さんにお話しすると、
約10年ほど前、小学生が女性の方に自転車で突っ込んでしまいました。
被害者の女性は命は助かりましたが、今も意識不明の状態です。
その際に発生した賠償金は9,521万円です。
交通事故を起こすとこのような責任をとらないといけないという意識を持ってください。
2.もしもの時に助けてくれる自転車保険
あくまで万が一の時を考えて保険です。使わないのが一番ですが、
もしもの時の為に保険はしっかり入ってください。
3.おわりに
皆さんが乗っている自転車は道路交通法上「軽車両」と呼ばれる立派な車両となります。
自転車利用五則を意識し、しっかりと安全ルールを守ってください。
講習内容をまとめた動画を下記にアップしておりますので是非ご覧ください。