スマートファームなど新規事業にもチャレンジ
―貴社の近況を教えてください
弊社グループは今年で創業35周年を迎えますが、不動産事業から始まり携帯ショップ運営事業、宅配水ボトル生産事業、ポスティング事業、介護事業など展開しています。グループ売上150億円を突破し、社員数630名になりました。中核事業である携帯ショップ運営事業においては、九州でソフトバンク、auで30店舗運営しています。ここまでスマホの普及の一役を担ってきましたが、キャリア同士のシェア争いも激化してサービスも多様化し厳しい時代になってきております。オペレーション力に加えてお客様ひとりひとりへの提案力が求められますので、今後さらに人材育成に力を入れて伸ばしていきたいと考えています。不動産事業も採用強化、人材育成の効果もあり、売買や買取再販事業が昨年より増収しています。宅配水事業においては、生産、販売は順調に推移しています。カスタマーセンターは熊本に加えて広島県福山市にも新設いたしました。オペレーター150名体制まできております。介護事業の有料老人ホーム(2棟)もやっと122床の満床までたどり着き、介護保険、医療保険の両面で収益強化できるとこまできております。またポスティングや法人ソリューションなどBtoBビジネスにおいては強みであるグループ間のシナジーを活かして伸びてきています。
―今後、力を入れていきたい取り組みは
近年、新規事業にも力を入れておりますが、その1つとして「スマートファーム事業部」を立ち上げ、大阪府泉佐野市に人工光型植物工場を開業いたしました。農業人口減少や農業従事者の高齢化、気候変動など農業がかかえる社会課題を解決できないか、またビジネス化できないかと考えてチャレンジをスタートしました。弊社のファクトリーでは、AIを活用した生産管理により安定供給が可能で、年間固定価格での供給可能、また、無添加、無農薬で品質と味が年中変わらない食材を提供できるなどのメリットがあります。レタスなどの葉物野菜やマイクログリーン、エディブルフラワーなど生産し、スーパーやレストラン、ホテルなどに販路開拓しています。フル稼働に向けて軌道に乗せていきたいと考えています。また、弊社グループの強みは、既存事業同士のシナジーだと考えていますが、総力戦で成長していきたいと思います。
生成AIの時代へ、視野を広く持ち時代に合った展開を
―熊本の現在と未来について思うことは。 熊本においては、TSMCの進出に伴い、不動産業界や建設業、インバウンド観光などは活性化していますが、今後、地元企業にももっと恩恵が行き渡っていけば経済効果も出てくるだろうと期待しています。また、我々の携帯キャリアであるソフトバンクが生成AIへの取り組みに相当力を入れていることもあり、どんどん現場に実装化されています。今後どんどん普及して、仕事の構造やしくみも急速に変わっていくことが予想されます。DXやAIなど積極的に導入して生産性向上や業務効率を上げていかないと取り残されていくと思います。自動運転技術やドローン活用、AI搭載のロボット、IoTなど想像を超えるスピードで普及していくと思います。変化に対応する力、視野を広く持つ力が今まで以上に必要になります。弊社グループでも日本全国規模でビジネスできる展開をしていきたと考えています。 |
やればできる成功体験を大切に
―学生時代の今に生きる「学び」を教えてください。
幼少時は野球少年でしたが、中学でケガしてしまい野球は断念しました。大学時代はテニスにどっぷり熱中しました。テニスは初心者でしたのでサークルと思って体験入部したら、そこはバリバリの体育会硬式テニス部でした。(笑)辞めるに辞められなくなり、気付いたらハマってしまいました。最後は副キャプテンを務めるまでになりました。当時のリーダー経験は縦社会の厳しさを学びましたし、会社経営やマネジメントに役立っています。また、ダブルスでは熊本学生チャンピオンを2回獲ることができました。初心者でも「やればできる」という成功体験できたのは社会人人生でも大きく活きていると思います。「努力ではなく工夫しろ」という先輩の言葉が印象的でまさしくビジネスでも大事なことだと思います。
目標を共有し、強い意志を持って、前へ ―「座右の銘」は 『意思あるところに道は開ける』という言葉です。私の経営哲学の中心にあります。この言葉は、どんな困難や障害があっても、強い意志と決意があれば必ず解決策を見つけ出し、目標を達成できることを教えてくれます。経営において幾度となく困難な状況に直面します。しかし、そのたびにこの言葉を心に刻み、前向きに挑戦し続けることで、新たな道を切り開いていくことができるでしょう。例えば、新しい事業部門を立ち上げる際には多くの不確実性がありますが、チーム全体が同じ目標を共有し、強い意思を持って取り組むことで、成功を収めることができます。この言葉は、ただ希望を持つだけではなく、具体的な行動と努力が伴わなければならないことを強調しています。意思を持ち続けることで、どんな状況でも前に進むことができると信じています。 |
―若者へのメッセージをお願いします。
熊本の未来を担う若者へ
熊本の豊かな自然と温かいコミュニティの中で育った皆さんには、無限の可能性があります。挑戦を恐れず、自分の夢や目標に向かって努力し続けてください。失敗から学び、成長することが大切です。また、地元の企業やコミュニティと積極的に関わりを持ち、熊本の発展に貢献してください。皆さんの情熱とアイデアが、地域をさらに魅力的にする力となります。共に熊本をさらに素晴らしい場所にしていきましょう。
※インタビュー/2024年12月9日取材