また、これらの結果を残すことが出来ているのは、練習環境や様々な面で応援していただいている学校の支援、それから保護者の皆様のご協力のおかげだと、常に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも、その支援や協力に応えられるよう精進していきたいと思います。
「全国で勝つ、勝つに
ふさわしい」チームに
山本
10月の新人戦、来年の総体に向け、1~2年生を中心とした強化を進めていきたいと思っています。実は7月の時点でキャプテンはすでに代替わりしていまして、代替大会のみ前キャプテンの3年生がリーダーを務めた形になります。
なお県新人戦ではベスト4が九州大会進出、そこで上位9チームが全国大会出場となります。当部はこのところ毎年全国大会に出ていますが、残念ながら勝ち進めてはいません。これまでのところ団体戦ベスト16が、全国では過去最高の成績になっています。
ですから今後の目標としては、「全国で勝つ、勝つにふさわしい」チームにすること。例えば特に強豪の多い関東圏の選手たちを見ていると、体の使い方が違います。全身の筋力や体幹をバランス良く使っているから、県内なら「打ち抜けた」と思える打球が、彼らには返されてしまう。もう一球、もう一打の粘りと言いますか、何発でも崩れず打ち続けることの出来るタフネスが、まだまだ敵わないという印象です。そのため私たちは、今は月に1度ですが専門トレーナーをお願いしました。その指示でストレッチを始めバランストレーニング、下半身強化トレーニング等をみっちり受けて、全国レベルで通用する体を作ろうと思っています。
また、サーブ力も強化していきたいですね。サーブはゲームのスタートですが、同時にそれだけで点が取れる、強力な武器にもなります。それにサーブ力が向上すれば、同時にレシーブ力も上がっていきますから、相乗効果も期待できます。
スポーツにもそれが表れる
山本
当部の生徒はほぼ100%進学。卓球の成績と共に将来性や人柄を評価していただき名門大に受け入れてもらえる者もいますが、それでも大学卒業後はほとんどが、ごく普通の「社会人」になっていきます。スポーツのことしか頭にないようでは、いざ社会に出た時、他の学生より不利になってしまいますよね。
ですから私は、ただ強くなるだけでなく「卓球を通して、人間として成長して欲しい」という思いを持って指導しています。具体的には基本的な礼儀作法、そして他の部員への気付き、気配り、思いやり。「自分だけ強くなれば良い」では、社会では通用しない。仲間のことを思う、そして敵の選手のことさえも考えられる人になって欲しい。そうすればいろんな人に対する観察眼が養われ、試合にも良い影響が出るものです。
また私は保健体育の教師でもありますから、いち教育者としても、普段の学生生活からきちんとするように指導しています。しっかり挨拶する、授業をきちんと受ける、課題もきちんとこなすというように。実際、学生生活がだらしないとスポーツにもそれが表れるものなんです。卓球で言うと、あと一球の踏ん張りが利かなかったり。そういう選手はいくら技術があっても他の選手に悪影響を及ぼしますから、大事な試合には出さないようにしています。
2014年、第41回全国高校選抜卓球大会、団体戦出場時の写真。 | ― 学生時代の、今に活きる「学び」を教えて下さい。 山本 私はこの部のOBで副キャプテンだったのですが、実は入部した頃、男子卓球部はまだ創部2年目。当時、県総体38連覇中の強豪だった女子卓球部に比べると、まさにこれからという感じでした。しかし女子に負けじと頑張った結果、男子も私が1年の時に初めて、県総体で優勝。その後卒業するまでに、3連覇を達成することができました。 それと言うのも、今もサポートしていただいている当時の堀川監督を始め、卓球部に関わるスタッフや、学校の先生方に厳しくご指導を受けたおかげだと思っています。 普段の学生生活、および私生活に至るまで、どうあるべきかしっかり教わりました。そして、そうした日々の礼儀や言動が、試合にどんな影響を及ぼすかということも思い知りました。 |
持ち続けることが大切
山本
部のモットーでもある「挑戦」です。それは県トップの地位に甘んじず、より上を目指そうという意図がもちろんあります。
ですが、同時に県内においても決して相手を軽んじることなく、チャレンジャーの気持ちを忘れずに戦おう、という意味も込めているんです。そうでないと全国はおろか、県トップの座を勝ち取ることすらできないと。そうした挑戦者としての姿勢を持ち続けることはスポーツだけでなく、人生のいろんな面においても大事なことだと思います。
山本
スポーツであれ何であれ、人生において何か1つのことに、一生懸命打ち込める時期って限られてると思うんです。ほとんどの場合、それは学生時代ぐらい。だからこそ今のうちにスポーツを、あるいは文化活動や勉強を頑張ることで「自分は何を学ぶことができるのか」、それを意識して欲しいと思います。
単に技術を磨いたり、点数を上げるためだけに頑張るのはもったいない。そうしたことを通して、「人としての成長」につながるであろう多くの出会いや学びを大切に、ひたむきに取り組んでもらえたら嬉しいです。