【プロフィール】
1951(昭和26)年1月15日生まれ。山鹿市鹿北町出身。鹿本高校卒。明治大学法学部卒。74年熊本相互銀行(現・熊本銀行)入行、上熊本支店長、博多南支店長などを経て、2003年取締役、07年常務執行役員、10年に代表取締役専務執行役員、14年4月から代表取締役頭取(執行役員兼務)、同年6月からFFG取締役執行役員。趣味はゴルフ、歴史の道歩き 若者へのメッセージ 「失敗を恐れない行動力を持て」 |
T1 park 記者
展望としては。 竹下 今年4月からは、現在進行中の中期計画の仕上げの時期であり、それと同時に次の中期計画を新しく作っていく大切な時期に入っていきます。地域金融機関として我々が果たすべき役割を考えた時、地元にどれだけ密着して仕事に取り組んでいくかが大切だと思います。ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の一員となったことで、我々はより熊本に集中できるようになったわけですが、我々が担うミッションは熊本の銀行になることそのものなんですよ。熊本でお預かりした資金は、基本的に熊本の個人・中小企業の方のために使って頂く。金融の地産地消を目指しています。平成26年3月期の地産地消率は83%で、他行と比較しても非常に高い率になっています。展望は、これをもっと高めていき、熊本の銀行になっていくということに尽きると思っています。 |
T1 park 記者
どんな高校時代を過ごされましたか。 竹下 変わった経験をしたという意味では、実を言いますと、高校時代に既に統合を経験したんですよ。私は山鹿高校の普通科に入学したのですが、3年生の時に山鹿高校と鹿本高校の普通科が統合して、鹿本高校の普通科になりました。山鹿高校の商業科は鹿本高校の工業科と統合して鹿本商工になったんですよ。だから私は新生鹿本高校の第1期生になるんですよ。そういう意味では、高校時代に普通経験しない、経営統合のようなものを早くから経験したことは何かの縁だったのかもしれませんね(笑)。 文化というのは、企業カルチャーとか言いますが、一つの企業が一つの企業文化内だけで存続していくだけではあまり良いものは育たないと思うのですよね。勿論それはそれで良いところもあるのかもしれませんが、やはり2つ以上の異なる文化がそれぞれ交わることによって、新しい文化が生まれるのではないかなと思うんですよ。私はそんな経験を高校時代にできたことは、今思うと良かったと思います。 山鹿高校と鹿本高校が統合して出会った仲間とはわずか1年という短い時間しか過ごしていないのですが、今でも付き合いが続いており、生涯付き合いのできる、中身のある出会いがあったと思います。この高校時代の経験は銀行に入った後でも、異なる文化が交わるということに対して全く違和感ない、そんな考えを培ってくれたんだと思います。異なる文化と交わることは、決してマイナスではないと思います。交わることでまた違った新しいエネルギーが生まれます。これは意味あることだと思います。 |
T1 park 記者
その後、明治大学に進まれたんですね。大学時代はいかがでしたか。 竹下 明治大学では、有斐学舎(熊本県出身者が生活を共にする寮)に友達がいたこともあり、そこに入り込んで1年ほど居候したこともありました。やはり、その頃から色んな人と交わるということは結構好きな方でしたね。また留学生と日本の学生が半々ぐらい入る寮があり、そこに2年間住んでいたこともありました。タイやカンボジア、インドネシアなど東南アジアの留学生との共同生活が、とても良い経験になりました。一人で学生生活を過ごすよりもあえて人と出会い色々な経験をした方が自分のためになる、という意識はどこかに持っていたと思いますよ。 |
そんな苦しい時期に先輩行員から言われた、今でも忘れない言葉があります。それは「水を飲むときは井戸を掘った人のことを思え」という言葉です。今、水を飲もうと思えば、蛇口をひねると当り前に水が出てきますが、元々そこには井戸を掘った人がいて、そのお陰で水が飲めるわけです。そう考えてみると色んなことに気が付くことができます。
お客様とのお取引というのは、ただ当り前のようにして作られただけではなく、先人の並々ならぬ努力があって生まれたわけですから、私の代で失うことは絶対にできないわけですよ。井戸を掘ることがどれだけ大変な役目かと鹿児島勤務時代に気付かされたように思います。私はこれを若い時に経験することができて良かった。行った先々で新しい井戸を掘る、この大切さを学びました。
T1 park 記者
若者への応援メッセージを。 竹下 「失敗を恐れない行動力を持て」ということでしょうか。これはFFGが生まれた時にできたグループの経営理念の一部でもあります。やはり、行動しなければ何も始まりません。あまり考えすぎてしまっても行動に結びつかず、何もできなくなりますから、まずはやってみろということです。あまりにも慎重になりすぎて、周囲や横ばかりを見ながら進んでいてはいけないと思います。前向きな失敗は、良いと思っており、評価に値します。「失敗を恐れない行動力を持ち」未来に向かって色んなことにチャレンジして下さい。 T1 park 記者 ありがとうございました。
Writer M.Ujino
|