T1 park 記者
熊本学園大学の近況は。 幸田学長 本学近況としては、目の前に商業施設ができ、より街中にある大学という雰囲気が強くなってきたことがあります。これは単に便利になるだけではなく、本学の位置する大江の地域がこれまでの文教地区に加えて商業や医療の色合いも加わり、さらに賑わいをみせることにつながります。全体的に見てもプラスであり、学生の成長にとって良いことだと捉えています。本学は元々特定のオーナーがいる大学ではありません。つまり地域の方々に支えられてきた大学だと言えます。本学には創立した当時から地域経済を活性化するという想いがありました。例えば、図書館は学外の人でもカードを作って頂ければ利用でき、地域に向けて常にオープンです。今後も街中にある大学としてますます地域との相互交流が深まっていくと思います。 |
T1 park 記者
これからの展望は。 幸田学長 大学を取り巻く環境が大きく変わってきました。18歳人口の減少による少子化社会の中で、大学にとっては学生をいかに確保し、いかに教育していくか、これが重要な課題となっています。次の社会を担う若者の人口は減っていくわけです。その減っていく若者を育てていく大学の役割は高まっていくと思います。学生も自分の力を磨いていくことがますます求められてきます。 大学教育の在り方が問われている今、質的な充実・転換が重要な課題だと思っています。従来からある大きな教室での一方通行の教育形態からゼミナールやグループ学習を取り込んだ参加型で双方向の教育形態に転換していくことが必要だと思っています。これによって今後さらに学生自らが積極的に参加して問題意識を高めることができる授業を増やしていきたいですね。 |
T1 park 記者
そこから得るものは。 幸田学長 頭の中で恐怖感を感じたら前には進めません。自分を信じるしかないということです。滑ると思えば滑りますし、滑らないと思えば、滑りません。そこにはギリギリの緊張感があります。その一歩によって成功するか、失敗するかが分かれます。落ちれば命綱で結ばれているとはいえ5〜10メートル上から落ちますので衝撃もありますし、何よりも精神的な悔しさの衝撃に打たれます。 そこから得るものとは「決断力」でしょうか。ギリギリの緊張感の中で、次の道をイメージしながら自ら決断して登っていかなければなりません。仕事でも決断する場面は多くあり、そんな時に役立っているような気がします。何事も決断しなければ、進みませんし、場合によっては落ちてしまいますからね。ロッククライミングからは、ギリギリのところでバランスを考えながら決断する力を学んでいるような気がします。 |
T1 park 記者
学長が学生の時に経験したことで、今の自分にとって役立っていることは。 幸田学長 研究者になったわけですから、禁欲して研究に励むことは勿論やってきました。しかし、それよりも私が学生だった1975年頃、東南アジア研究会というサークルに入っていまして、タイ、マレーシア、シンガポールを旅したことは非常に記憶に残っています。新聞紙を列車の床に敷いて寝起きする貧乏旅行でした。時には現地で商社に勤務していた先輩方を訪ねたりもしました。マレー語など現地の言葉もできないながら、筆談で現地の人達とコミュニケーションを取ったりした経験は、今でも良い勉強になったなと思っています。やはり、若い時に海外を自分の目で見ることは大切だと実感しました。 |
T1 park 記者
若者への応援メッセージを。 幸田学長 若者には、やはり読書は大切だと思います。本との出会いは人との出会いでもあるわけですから、古今東西、時空を超えてあらゆる人と知り合いになれるわけです。最近はネットの時間が増えているかと思いますが、読書を通じて自分で考えながら学ぶことも大切だと思います。 そして、もう一つは何事に対しても、とにかく手を抜かずに一生懸命取り組むことです。そうすれば次のステップが見え始めてきます。これは勉強だけでなく、仕事もそうです。初めは下手でも構いません、一生懸命ギリギリの緊張感で挑まなければ伸びるものも伸びません。人間はそういうふうにできているのだと思います。 T1 park 記者 ありがとうございました。 |