T1 park 記者
これからの展望は。 中山学長 航空機の整備士やパイロットの養成に力を入れていきたいと思います。最近よく言われているパイロット不足が背景にあり、全国で4つの大学がパイロット養成コースを持っていますが、なかなかエアライン(航空会社)のパイロットにはなれないのが実情です。しかし、そういった中でも本学では卒業生のほぼ100%がエアラインに就職しています。今後、更に大手エアラインへの採用が決まっていけば、多くのパイロットを輩出する大学として、全国からも注目を集めることになると思います。本学ではパイロットのふるさとづくりを応援するということで、熊本県と包括連携協定を締結し、「熊本大空港構想」の実現に向けて取り組んでいます。本学では免許を取得するだけではなく、パイロットの人格や物の考え方、安全意識などを柱にしており、日本航空の社内養成で指導していた教員が教えているため、航空会社と同じシステムで教えていますので、非常にレベルの高い人材育成を本学で出来るのが強みではないでしょうか。 また、もう一つの展望としては、今年新たに開設したマンガ表現コースに期待しています。熊本をマンガで世界に広めていくため、マンガミュージアムやマンガフェスタなどの仕掛けも考えています。将来的に非常に面白くなるのかと思っています。 |
T1 park 記者
若者に身に付けて欲しい人間力は。 中山学長 明治維新の時代に活躍した偉人の多くは下級武士の出身でした。彼らが成し遂げた明治維新は、現状の連続の延長線上で何かを改良して社会を良くするのではなく、鎖国から開国に今で考えもつかない若い人の発想でイノベーションを起こし、不連続の状態を創り上げる、変革とも言えました。“命”を懸けて真剣に「やるぞ!」という気持ちがなければ、当時の時代を考えれば何事も達成できずにいたでしょう。しかし、彼らは武士道の精神で養ってきた強い意志と実行力で180度異なる未知の新しい世界を実現することが出来ました。これが人間力だと思います。つまり人間力において、知識的問題以上に、精神的問題が重要だということが言いたいのです。若者にも現代社会において、第二の明治維新を起こすような気持ちで、先端的な社会の構築を目指して欲しいですね。 |
T1 park 記者
「学都構想」を提唱されていますが、熊本の更なる発展・活性化に向けて、地元学生に頑張って欲しいことは。 中山学長 五高時代、熊本はまさに学都でした。高名な偉い先生がいたから学都であったという理由ではなく、学生を熊本市民みんなで可愛がろう、大切にしましょうという、学生を思いやる雰囲気があったから学都と言われていたのだと思っています。例えばね、五高時代には学生が飲み食いしてお金が足りなかったり忘れたりすると、「出世払いでよかけん!」と言って市民が学生を大切にするような大らかな気持ちありました。そこには市民が将来日本のために活躍してくれる学生をみんなで育てていきましょう、という強い想いがあったからだと思います。当時の様に熊本を再び学都にしたいと思い「学都構想」を提唱しています。 本学でも起業家育成プログラムを始めました。同プログラムの授業の一部では今年1月に市民会館崇城大学ホールで学生ら100チームによるビジネスアイデアコンテストを計画しています。優勝者には起業支援金とシリコンバレーとスタンフォード大学への視察旅行を提供する予定です。その中から世界に未だないようなイノベーションと新しい社会を学生自らが構築するような素晴らしいアイデアが出てくることを期待しています。 日本は欧米に比べてまだまだ開業率が低く、これから若い人が起業しやすい環境をここ熊本で整えてあげなければならいと思っております。ベンチャービジネスを起こすような学生を生み出し、熊本にシリコンバレーを構築したいですね。これからは若い人の発想力で、若い人のニーズを捉えるような感性を持って是非、熊本に拠点を置いて、どんどん起業して欲しいと考えています。 |