市長が語る熊本地震と復興の現状
大西市長「今回の地震では、熊本市で最大11万人ほどの方が避難生活を送ることとなりました。私は直後から対策本部に入り皆さんが早く安心できるよう努めていましたが、全てを把握することなどできません。避難者の数もわかる範囲でのこと、実際はもっと多くの方が不安な日々を送られていたはずです。 そんな状況でしたから、例えば全国から山のように送ってもらった支援物資や大量の水をどこにどう届ければ良いのか。もちろん非常にありがたい一方、対処すべき最適な方法がわからない、マンパワーも足りない。だけど躊躇しているわけにもいきませんから、どうにかこうにか対応していて2週間ぐらいの後、水や電気などライフラインの復旧も徐々になされていったと思います。 あの震災からもうすぐ3カ月(7月13日取材時)、避難していた方々も多くは日常を取り戻しつつあるようです。ただそうは言っても、以前の暮らしが本当に戻っているかというと、決してそうではない。今はやっと「これから再建していこう」と思えるようになった、そういう時期ではないでしょうか。 そういう中にあって、未来に向けてどういう熊本をつくっていけば良いのか。みんなで『もっと(災害に)強い熊本、楽しい熊本』をつくっていくために、どんなことが私たちに出来るのか、若い皆さんの意見を聞かせてもらえたらと思います」 |
大西市長「おっしゃる通り〝災害を経験した街〟だからこそ、〝災害に強い街〟になれると思うんです。水が出ないだけでトイレってこんなに困るんだとか、今回初めて実感した方も多いですよね?(学生たち同意)
逆に言えばそういう経験をすると、給水設備など〝機能して当たり前〟だった部分をこれまで以上に強化していけば、今度災害が起きた時にも不便が減る、復旧が早くなる見通しが立つわけです。そういう〝見通しが立つ〟ということは、防災および減災にとって非常に大切なこと。もちろん私たちは、その対策推進に取り組んでいきます」
逆に言えばそういう経験をすると、給水設備など〝機能して当たり前〟だった部分をこれまで以上に強化していけば、今度災害が起きた時にも不便が減る、復旧が早くなる見通しが立つわけです。そういう〝見通しが立つ〟ということは、防災および減災にとって非常に大切なこと。もちろん私たちは、その対策推進に取り組んでいきます」
大西市長「安全だけでなく、〝楽しさ〟というのも欠かせない要素ですよね。実はちょうど市が主催の『くまもとお城まつり』と後援の『火の国YOSAKOIまつり』の件で、協賛企業の方とお話ししたところ。自粛の声は一部あったものの希望の声も多く、今年は例年に負けない規模で開催されることになりそうです。
祭りやイベントで地域の皆さんのムードが高まり、相乗効果で復興が進むことってやっぱり、あると思うんですよ。おっしゃったように今後、他県のお祭りとミックスする形でやるというのも面白そうですよね。市も協力していきたいところです」
祭りやイベントで地域の皆さんのムードが高まり、相乗効果で復興が進むことってやっぱり、あると思うんですよ。おっしゃったように今後、他県のお祭りとミックスする形でやるというのも面白そうですよね。市も協力していきたいところです」
大西市長「毎日見ている熊本城がこうなってしまった時には、僕もショックを受けました。6月からプロジェクトチームを組んで再建に当たっていますが、観光地としての価値を取り戻すにはまず早急に、安全に入城できる建物にすること。ただし文化財としての完全な再建という面では、『今回の震災を永く忘れない』という意味で、100年のスパンをかけることを考えています。
大河ドラマに関しては、実現したら嬉しいですよね。例えば加藤清正を主人公に熊本城が舞台の一つとなるようなドラマ、ぜひお願いしたいところです」
大河ドラマに関しては、実現したら嬉しいですよね。例えば加藤清正を主人公に熊本城が舞台の一つとなるようなドラマ、ぜひお願いしたいところです」
大西市長「マンガのような比較的新しい文化を活かすのは有効ですよね、熊本はそれを創造できる風土がある街ですし。他にもサイレントマンガといってセリフのないマンガがあるんですが、これはまさに国境を越える。古い文化でも『能』ってあるでしょう、これも熊本に縁の深いものですが言葉がない分、かえってあらゆる人の心を打ったりします。
ワンピースの件も含め、海外の方もどんどん来たくなるような熊本にするための構想は練っていますので、若い皆さん方のご協力、よろしくお願いします」
ワンピースの件も含め、海外の方もどんどん来たくなるような熊本にするための構想は練っていますので、若い皆さん方のご協力、よろしくお願いします」
大西市長「僕もツイッターで7万人のフォロワーがいますが、今は個人が情報発信しやすい、起業しやすい社会になっていると実感しています。それだけ競争が激しくなるとも言えますが、今回の震災を教訓に不足を補い、不備を改めるような起業ができれば素晴らしいですよね。行政としては、学生さんに不足しがちな資金や技術力を埋めるお手伝いをしていきたいところです。
起業もそうだし、その前に出たお祭りやアニメなどの文化にしても、何か新しいことをやる、新しいものを産み出すってとても大事なこと。それは復興という点でも、より良い未来をつくっていくという点でも欠かせませんよね。そのためにはやはり〝若い力〟が必要になりますから、皆さん方と力を合わせて熊本を安全で、安心して楽しく暮らせる『本当の意味で上質な街』にしていきたいと思います」
起業もそうだし、その前に出たお祭りやアニメなどの文化にしても、何か新しいことをやる、新しいものを産み出すってとても大事なこと。それは復興という点でも、より良い未来をつくっていくという点でも欠かせませんよね。そのためにはやはり〝若い力〟が必要になりますから、皆さん方と力を合わせて熊本を安全で、安心して楽しく暮らせる『本当の意味で上質な街』にしていきたいと思います」