最後は自分で決めること、そうすれば絶対に後悔しない
| 教育は国の宝 栗原:座右の銘と仕事のやりがいは。 小川:年齢と共に変化してきました。子供の頃は「努力と忍耐」、医者になってからは「対話と傾聴」、そして最近は「教育」です。「教育」は国の宝です。 やりがいは、働き方改革が進んでいますが、日本の国力、学力が低下していることを非常に心配しています。論文業績は2000年代初めまでは世界4位だったものが今では13位に落ちました。これまで働いて、働いて、働いてきました。自分で頑張ったら、それだけの成果があり、そこにやりがいを感じます。 下原:学生時代に熱中したことは。 小川:ずっと野球が好きでやってきました。授業が終わったら野球部で夜遅くまで練習していました。体力をつける意味では運動していて良かったと思っています。元気が良くて、野球が終わってから遊びに行っていました。しかし、授業には必ず出席するようにしていました。 下原:部活と大学生活との両立について。 小川:できたら部活はやってもらいたい。チームワークや組織運営、そして何よりも他学部のことを聞けることが良いと思います。スポーツで養った体力は将来必ずプラスになります。 大学では学生のために運動施設をはじめ、学内環境の整備に力を入れています。そのためにもネーミングライツなどありとあらゆる手段を使って、国だけに頼らず自ら収益を生み、学生のためにつぎ込んでいきたいと考えています。 |
最後は自分で決めること
園田:学長になるまでの経緯と、医師から学長になろうと思った理由は。
小川:これまで大学の教授になろうと思ったことはなく、初めは地方の開業医が一番大事だと思い、良い医者を目指してきました。卒業時に、色々考えて、循環器が命に一番直結しているので、循環器内科医になろうと思いましたが、その頃、熊本大学には循環器内科がなく、多くのことが経験できる第2内科に入局しました。医局に入って2年間の研修後、田舎の病院で勤務しました。田舎で臨床を経験する良さは、すべて必死に勉強して自分で考えて判断しなければならないという点です。これが本当の医者だと思いました。
その後、国立循環器病センター(国循)にレジデントとして3年間勤務しました。その間は、朝から晩まで、さらに2日に1回は徹夜で働いて、体はもうボロボロでしたが、そこから根性と救急時の処置を学びました。頭より体が先に動くような感じでしたね。
3年間のコースを終えて、ちょうど熊本大学に循環器内科ができたばかりの頃で、そこに入りました。まだ医師数も少ない小さな教室でしたが、教授から論文執筆の指導も受け、教授になることができ、熊大でも一番大きな教室の一つにすることができました。その少し前からでしたが、国循からこちらに来て欲しいと何度も誘われましたが、地方の大学から行っても出世は見込めないと周囲からも言われていましたし、あれこれ理由を付けて断り続けていました。しかし、5年越しにどうしても来て欲しいということで、色々考えて最終的に引き受けました。
国循に移ってからは、レジデントの頃から経験していましたので色んな人が僕の話を聞いてくれました。そこで、50
年に一度の病院移転という大仕事を任されました。理事長として移転の陣頭指揮をとり、無事に終えることができました。ほっとしていた頃に熊大に帰って来ないかという誘いがあり、これも色々悩んだんですが、熊本に戻って来ました。そうしたら学長に就任してすぐに、TSMCの熊本進出が決まり、今度は熊本が百年に一度のチャンスとなりました。これも運命だと感じています。リーダーとして、与えられた任務はどういう状況にあっても責任を持って一生懸命にやらなければならない。これがリーダーだと思っています。
卒業生にはいつも「人生は決して思った通りにいかないもの。色んな考えがあり、色んな迷いがあるかもしれません。しかし、最後は自分で決めることが大事。そうすれば、絶対に後悔はしません」と言っています。熊大から国循へ移る時も、また、国循から熊大の学長として戻る時も、自分で色々考えました。最終的には自分で決断して、すべて良かったと思っています。
小川:これまで大学の教授になろうと思ったことはなく、初めは地方の開業医が一番大事だと思い、良い医者を目指してきました。卒業時に、色々考えて、循環器が命に一番直結しているので、循環器内科医になろうと思いましたが、その頃、熊本大学には循環器内科がなく、多くのことが経験できる第2内科に入局しました。医局に入って2年間の研修後、田舎の病院で勤務しました。田舎で臨床を経験する良さは、すべて必死に勉強して自分で考えて判断しなければならないという点です。これが本当の医者だと思いました。
その後、国立循環器病センター(国循)にレジデントとして3年間勤務しました。その間は、朝から晩まで、さらに2日に1回は徹夜で働いて、体はもうボロボロでしたが、そこから根性と救急時の処置を学びました。頭より体が先に動くような感じでしたね。
3年間のコースを終えて、ちょうど熊本大学に循環器内科ができたばかりの頃で、そこに入りました。まだ医師数も少ない小さな教室でしたが、教授から論文執筆の指導も受け、教授になることができ、熊大でも一番大きな教室の一つにすることができました。その少し前からでしたが、国循からこちらに来て欲しいと何度も誘われましたが、地方の大学から行っても出世は見込めないと周囲からも言われていましたし、あれこれ理由を付けて断り続けていました。しかし、5年越しにどうしても来て欲しいということで、色々考えて最終的に引き受けました。
国循に移ってからは、レジデントの頃から経験していましたので色んな人が僕の話を聞いてくれました。そこで、50
年に一度の病院移転という大仕事を任されました。理事長として移転の陣頭指揮をとり、無事に終えることができました。ほっとしていた頃に熊大に帰って来ないかという誘いがあり、これも色々悩んだんですが、熊本に戻って来ました。そうしたら学長に就任してすぐに、TSMCの熊本進出が決まり、今度は熊本が百年に一度のチャンスとなりました。これも運命だと感じています。リーダーとして、与えられた任務はどういう状況にあっても責任を持って一生懸命にやらなければならない。これがリーダーだと思っています。
卒業生にはいつも「人生は決して思った通りにいかないもの。色んな考えがあり、色んな迷いがあるかもしれません。しかし、最後は自分で決めることが大事。そうすれば、絶対に後悔はしません」と言っています。熊大から国循へ移る時も、また、国循から熊大の学長として戻る時も、自分で色々考えました。最終的には自分で決断して、すべて良かったと思っています。
大きいことにチャレンジを
正林:学生時代の起業をどう考えますか。
小川:以前はそうは思わなかったのですが、日本の国力が弱ってきている今、自分の知識を生かして起業することは大事だと考えるようになりました。特に工学部や文系の学生さんには起業してもらいたい。しかし、そのためには、ものすごく努力しなければいけません。生半可な思いではだめです。勉強が嫌だから起業するなんてとんでもない。本業の勉強も一生懸命しながら、それ以上に起業にも挑戦する。学生の皆さんには大きなことにチャレンジしてもらいたい。ほとんどが失敗するほど厳しい世界です。だからこそ確固たる信念を持って覚悟してやっていかなければいけません。そうしないと日本は遅れてしまうと思います。アメリカの大企業は経営者が若い時に起業したものばかりです。若い人が起業に挑戦することは賛成です。
小川:以前はそうは思わなかったのですが、日本の国力が弱ってきている今、自分の知識を生かして起業することは大事だと考えるようになりました。特に工学部や文系の学生さんには起業してもらいたい。しかし、そのためには、ものすごく努力しなければいけません。生半可な思いではだめです。勉強が嫌だから起業するなんてとんでもない。本業の勉強も一生懸命しながら、それ以上に起業にも挑戦する。学生の皆さんには大きなことにチャレンジしてもらいたい。ほとんどが失敗するほど厳しい世界です。だからこそ確固たる信念を持って覚悟してやっていかなければいけません。そうしないと日本は遅れてしまうと思います。アメリカの大企業は経営者が若い時に起業したものばかりです。若い人が起業に挑戦することは賛成です。
まずは挨拶を!
栗原:学生時代に身に付けてほしい力は。
小川:勉強も大切ですが、人を見る力、人と上手く柔軟に付き合う力といった人間力を身に付けてもらいたい。そのためにも学生にはいつも「まずは挨拶を!」と言い続けています。
熊本大学は、卒業生の活躍ランキングが全国6位に急上昇しています。理由の一つには、やはり都会の学生に比べて素直で伸びる学生が多いからだと思っています。その基本が挨拶だと思います。どんな世界でも同じです。礼節と仕事に対する熱意が成功のポイントです。
人を見分けるポイントもまた、挨拶です。そして自分の専門分野のことを誰にでも相手のレベルに合わせてわかりやすく話せる人には優秀な人が多くいます。
熊本大学は伝統があります。医学部と薬学部は日本でも一番歴史ある教育機関の一つです。伝統は大切にしなければいけませんが、それに甘えてはいけません。だから改革していかなければなりません。熊本大学はこれからもっと良い大学になっていきます。
小川:勉強も大切ですが、人を見る力、人と上手く柔軟に付き合う力といった人間力を身に付けてもらいたい。そのためにも学生にはいつも「まずは挨拶を!」と言い続けています。
熊本大学は、卒業生の活躍ランキングが全国6位に急上昇しています。理由の一つには、やはり都会の学生に比べて素直で伸びる学生が多いからだと思っています。その基本が挨拶だと思います。どんな世界でも同じです。礼節と仕事に対する熱意が成功のポイントです。
人を見分けるポイントもまた、挨拶です。そして自分の専門分野のことを誰にでも相手のレベルに合わせてわかりやすく話せる人には優秀な人が多くいます。
熊本大学は伝統があります。医学部と薬学部は日本でも一番歴史ある教育機関の一つです。伝統は大切にしなければいけませんが、それに甘えてはいけません。だから改革していかなければなりません。熊本大学はこれからもっと良い大学になっていきます。
熱いハートを持って 諦めないこと
園田:医学部生が大切にすべきことは。
小川:やはり「ハート」(心)が大切だと思います。医学では時に奇跡が起こることがあります。常識では絶対に助からないと
思っていた人が、一生懸命対応すると助かることがあります。それって、やはりハートだと思うんですよ。そういう経験がたくさんありました。
国循にいたとき、重症の心筋炎でまったく心臓が動かない患者さんがいて、若い人だから死なせたらいけないという思いで、人工心臓がまだ無い時代に当時国内で最新の補助器具を入れて諦めずに24時間体制で看ていたら奇跡的に心臓が動き始めて助かったんですよ。その後も普通に生活されている姿を見て感動しました。
ですからできるだけ熱いハートを持って、絶対に諦めずに治療にあたってもらいたい。「助けるんだ!」という熱い心を忘
れずに持ってください。そのためにもしっかり勉強してください。
小川:やはり「ハート」(心)が大切だと思います。医学では時に奇跡が起こることがあります。常識では絶対に助からないと
思っていた人が、一生懸命対応すると助かることがあります。それって、やはりハートだと思うんですよ。そういう経験がたくさんありました。
国循にいたとき、重症の心筋炎でまったく心臓が動かない患者さんがいて、若い人だから死なせたらいけないという思いで、人工心臓がまだ無い時代に当時国内で最新の補助器具を入れて諦めずに24時間体制で看ていたら奇跡的に心臓が動き始めて助かったんですよ。その後も普通に生活されている姿を見て感動しました。
ですからできるだけ熱いハートを持って、絶対に諦めずに治療にあたってもらいたい。「助けるんだ!」という熱い心を忘
れずに持ってください。そのためにもしっかり勉強してください。
百年に一度の大変革
T1:熊本の未来を担う若者へ一言。
小川:熊本は今、百年に一度の大変革期にあります。この時を逃さずにはいられません。ここで半導体を使った色々な産業を伸ばしておくことが熊本の未来にとって大切です。
若い人には、自分の目的意識を持って、その目的に向かって邁進してほしいと思います。そう思っても自分が思ったように上
手くいかないこともあります。たとえ違う道に進んでも、その場その場で一生懸命やっていけば、道は必ず拓けます。最後は
自分で決めることが大事です。そうすれば、絶対に後悔はしません。
この時代に熊本に居るというチャンスを生かし、半導体を使ったAI、医学、新しいことに挑戦してください。そのためにもまずは行動することです。
小川:熊本は今、百年に一度の大変革期にあります。この時を逃さずにはいられません。ここで半導体を使った色々な産業を伸ばしておくことが熊本の未来にとって大切です。
若い人には、自分の目的意識を持って、その目的に向かって邁進してほしいと思います。そう思っても自分が思ったように上
手くいかないこともあります。たとえ違う道に進んでも、その場その場で一生懸命やっていけば、道は必ず拓けます。最後は
自分で決めることが大事です。そうすれば、絶対に後悔はしません。
この時代に熊本に居るというチャンスを生かし、半導体を使ったAI、医学、新しいことに挑戦してください。そのためにもまずは行動することです。

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