若者が守りたい・残したい熊本を目指して
若者が住んで良かったと思える熊本に
【栗原】就任から約1年、若者に向けた取り組みについてお聞かせください。
【木村】若者向けの取り組みは、行政上これまで少なかったこともあり、私としては一生懸命力を入れていきたいと思っています。やはり、若者が熊本に住んで良かったと実感できるような機会を創っていきたいと考えています。
そこで、まずは私自身が学生や若い社会人の皆さんと対話できる機会を設けるようにしてきました。私は県外出身で、熊本に移住して知事になったパターンです。熊本には大学や企業など良いものが沢山あると思います。その良さをもっと若者に知ってもらえるようなイベントの一つとして「産業復興エキスポ」を開催しています。ビジネスの拡大だけでなく、高校生の皆さんと交流できる機会になっています。
また、大学の新しい取り組みを県が後押ししています。その象徴的なものが、熊本大学の半導体デバイス工学課程や情報融合学環の創設といった動きであり、若者に選ばれる大学が増えていくように関係機関と連携しながら頑張っています。世界的にも、大学が新たなイノベーションを創出するなど、面白い取り組みを行っていくことはとても重要で、大学と企業が連携して研究し、イノベーションが生まれ、それが製品となり社会に実装化されていくことで大学の魅力が高まっていくと思います。県としてもしっかり支えていきたいと思っています。
【栗原】就任から約1年、若者に向けた取り組みについてお聞かせください。
【木村】若者向けの取り組みは、行政上これまで少なかったこともあり、私としては一生懸命力を入れていきたいと思っています。やはり、若者が熊本に住んで良かったと実感できるような機会を創っていきたいと考えています。
そこで、まずは私自身が学生や若い社会人の皆さんと対話できる機会を設けるようにしてきました。私は県外出身で、熊本に移住して知事になったパターンです。熊本には大学や企業など良いものが沢山あると思います。その良さをもっと若者に知ってもらえるようなイベントの一つとして「産業復興エキスポ」を開催しています。ビジネスの拡大だけでなく、高校生の皆さんと交流できる機会になっています。
また、大学の新しい取り組みを県が後押ししています。その象徴的なものが、熊本大学の半導体デバイス工学課程や情報融合学環の創設といった動きであり、若者に選ばれる大学が増えていくように関係機関と連携しながら頑張っています。世界的にも、大学が新たなイノベーションを創出するなど、面白い取り組みを行っていくことはとても重要で、大学と企業が連携して研究し、イノベーションが生まれ、それが製品となり社会に実装化されていくことで大学の魅力が高まっていくと思います。県としてもしっかり支えていきたいと思っています。
やりたいことを見つける挑戦を! いつでも帰れる熊本に
【小島】先輩や友人たちが進学や就職で県外に出てしまう姿を見てきました。今後、熊本県内でキャリアを積んでいける魅力ある選択肢が増える可能性はありますか。
【木村】「隣の芝は青い」という言葉もありますが、東京の大学に行ったから最先端の学びができるかというと、そんなに変わらないと思います。むしろ、やりたいことが何かを見つけたくて大学に進学するのであれば、どこの大学に進んでも同じかもしれません。だからこそ地域ごとに独自の強みを持つことが大切で、その中で、各自がやりたいことを見つけていけるよう選択肢や可能性を広げることができれば良いと思います。
しかし、その一方で県内に全部をそろえる必要もなく、県外に出てもまた帰ってきたいと思った人が、帰ってくる場所があれば安心につながると思います。若い頃に外の風に触れることは全然悪いとは思っていません。企業にしても大学にしても、他県と同じことをするのではなく、熊本が持っている力を伸ばして、世界や東京も含めて色々なことでつながっていくことが大切だと思います。
「脱・もんだ主義」で熊本をより魅力的に
【渡邊】熊本の企業を知らないのに熊本に魅力がない、就職先がないと考え、都会に憧れる県外志向の学生が多いなか、知事が考える熊本で就職する魅力やメリットは何ですか。
【木村】まず、熊本市内は十分都会だと思います。TSMC進出の効果もあってか、県外から熊本に来る人も徐々に増えています。良い流れになりつつあると思います。
就職した後に人生どうなるかは誰にもわからないものです。私自身も、卒業して霞ヶ関で官僚になったのですが、途中で熊本に来て、49歳の時に県知事に出馬しました。人生の最初のうちはそんなこと少しも考えていませんでした。東京の両親もまさか息子が仕事を辞めて熊本で県知事になるとは思いもせず驚いたと思います。人生色々あります。最初は県内に就職せずとも、熊本は絶対に戻ってくることができる魅力ある土地だと思います。熊本市は都会であり、車で少し行けば温泉や自然もすぐそばにあります。食べ物も美味しく暮らしやすいところです。
なおかつ産業もあり、世界地図で見ると、熊本から東京と同じ距離に、上海や台湾があり、東京に商品を売る感覚でこうしたアジアの都市とビジネスができる良さが熊本にはあります。その良さを引き出していけば、もっと熊本に企業が集まり、熊本に就職したいと考える人も増えていくと思います。それにより、県内企業もこれまで以上に多様な働き方ができる魅力的な企業に成長していくことができるはずです。
私の中で今一番大切にしているのが「脱・もんだ主義」です。これは「熊本ってそういうもんだ」だったり、「男性って、女性って、うちの会社ってそういうもんだ」と絶対に考えないようにすることです。
これから皆さんが就職した企業内でも見えないバリアのようなものがあれば、それを脱して、時代に合わせて変えていくことで、面白い展開になっていくと思います。何事もめげずに新しいことに挑戦していくことが重要だと思います。
【渡邊】熊本の企業を知らないのに熊本に魅力がない、就職先がないと考え、都会に憧れる県外志向の学生が多いなか、知事が考える熊本で就職する魅力やメリットは何ですか。
【木村】まず、熊本市内は十分都会だと思います。TSMC進出の効果もあってか、県外から熊本に来る人も徐々に増えています。良い流れになりつつあると思います。
就職した後に人生どうなるかは誰にもわからないものです。私自身も、卒業して霞ヶ関で官僚になったのですが、途中で熊本に来て、49歳の時に県知事に出馬しました。人生の最初のうちはそんなこと少しも考えていませんでした。東京の両親もまさか息子が仕事を辞めて熊本で県知事になるとは思いもせず驚いたと思います。人生色々あります。最初は県内に就職せずとも、熊本は絶対に戻ってくることができる魅力ある土地だと思います。熊本市は都会であり、車で少し行けば温泉や自然もすぐそばにあります。食べ物も美味しく暮らしやすいところです。
なおかつ産業もあり、世界地図で見ると、熊本から東京と同じ距離に、上海や台湾があり、東京に商品を売る感覚でこうしたアジアの都市とビジネスができる良さが熊本にはあります。その良さを引き出していけば、もっと熊本に企業が集まり、熊本に就職したいと考える人も増えていくと思います。それにより、県内企業もこれまで以上に多様な働き方ができる魅力的な企業に成長していくことができるはずです。
私の中で今一番大切にしているのが「脱・もんだ主義」です。これは「熊本ってそういうもんだ」だったり、「男性って、女性って、うちの会社ってそういうもんだ」と絶対に考えないようにすることです。
これから皆さんが就職した企業内でも見えないバリアのようなものがあれば、それを脱して、時代に合わせて変えていくことで、面白い展開になっていくと思います。何事もめげずに新しいことに挑戦していくことが重要だと思います。
好きなことに挑戦できる視点で就職を
【古澤】周りの県内就職希望者の多くが、「熊本市以外で働くイメージが持てない」と言っているのをよく耳にします。郡部に魅力を感じづらい若者に向けて何かアドバイスを。
【木村】どうしても知名度のある有名な企業に目線が行ってしまいがちなのは仕方ないことかもしれません。それは単に、多くの若者が郡部に就職するというイメージが湧かないだけだと思います。しかし、好きなことに挑戦できる視点からすると、大きな企業である必要性はないと思います。郡部の魅力というよりも、郡部だからこそできることがあって、それが好きならば、堂々とその道を歩んでもらいたいと思います。小さい組織では、自分でやったことに実感が湧きやすいものです。これが大都会の大きい組織だと、自分の意思ではなかなか動けない場合もあります。
熊本県内の郡部には農業や観光、そしてものづくりが数多くあります。もっと県民の皆さんに知ってもらいたいと思います。どこの業態も、地域も、人手不足の状況ですから、やりたいことがあれば、飛び込んでいくことができると思います。
【植村】都会にない自然豊かな熊本の強みを他県に発信する取り組みなどありますか。
【木村】ずっと熊本にいるとわからない熊本の魅力が沢山あると思います。地下水や森林、農業がありますが、そうした熊本の良さに新しい魅力を付け足し、他との違いを引き出しながら、強みをアピールしていくように考えています。
例えば、アジアとつながることで熊本にはビジネスチャンスがあると思ってもらえます。また、「食のみやこ熊本県」をアピールするため、東京だけでなく隣の福岡でも物産展を開き、食べ物が美味しいことを生産者が直接アピールして、その後の商談につながるような取り組みも進めています。徹底的に熊本の良さを伝えていきたいと思っています。
何事も諦めずにやり抜くこと
【T1】知事から学生さんへメッセージを。
【木村】皆さん色々なことにチャレンジすることは良いことだと思いますが、一度その企業に入った以上は、まずはそこでガンガン一生懸命やっていくことが大切です。
自分が本当にやりたいことは、すぐに見つからないこともあります。組織では自分がやりたくないことを任されたり、やりたいことが回ってこないことが出てきます。ですが、それでふて腐れてしまうのではなく、諦めずにやり抜くことです。また、他の人がやっていることを知ることも大切だと思います。楽しそうに頑張っている人の話を聞きながら、手伝ってみることで、それが自分事につながっていき、自分でも満足できるようになると思います。そうすることで、人生は流れるように進んでいきます。そうやって頑張っていれば、きっと自分が本当にやりたいことに出会えるはずです。