またスポーツにおいても、今年は男女サッカー部など5つの部活が県総体で優勝しました。さらには吹奏楽部など、文化系の成績も良好です。本校が目指している「文武両道」に相応しい成果を、着実に上げていると自負しています。
そして私たち教師はもちろん、そんな彼らをしっかりサポートしていくつもりです。教師の役割は「教える」以上に、何かを「伝える」ことだと思っているんですが、生徒が充実した「線」を生きるために役立つ何かを、高校時代というこの同じ「点」の上で、責任を持って伝えていきたい。そんなふうに力を合わせ、一緒に頑張れたらと思っています。
バスケで国体県選抜に選ばれた高3の頃(右から2番目が飯田校長)
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目標に向かい、ブレずに
頑張ることが大切 ―学生時代の、今に活きる「学び」を教えて下さい。 飯田 本校生徒と同じ高校時代には、中学から続けていたバスケに打ち込んでいました。3年の頃には国体の熊本県選抜にも選ばれましたね。学業の方はまあ、ほどほどという感じでしたが…(笑)。 バスケで学んだことも多くありますが、この頃のことでは担任の先生とのやりとりが印象的です。ちょうど進路に迷っていた時期に「スポーツが好きなら、体育の教師を目指してはどうか」とアドバイスを頂きましてね。その方は理科の先生だったんですが、生徒の話をしっかり聞いてくれる「尊敬できる、頼れるお兄さん」という感じの方だったというのもあり、「教師も良いかもな」と視野の広がる思いがしました。そして将来を決める大切な「目標」を定めるきっかけになってくれました。 進学した日体大でもバスケを続けましたが、部員が200名近くという凄い競争率で、残念ながら目立つ選手にはなれませんでした。しかし「教師になる」という目標にブレはありませんでしたから、そのための勉強に打ち込み、採用試験も受けました。公立高には不採用でしたが諦めず、おかげで今に続く東海大付属の、その時は福岡第五高校(現・福岡高校)の非常勤講師に採用してもらえました。 人生の目標を定め、その目標に向かってブレることなく頑張り続ける…そのことの大切さを、当時の経験を通して身を持って学んだ気がします。 |
震災で学んだことを活かし
熊本の未来を明るく ―若者へメッセージをお願いします。 飯田 すでに言ったことと重なりますが、学生時代というのは「短いけれど二度と取り戻せない、一分一秒が貴重な時期」です。そんな時期だからこそ、今のうちに「目標」を見つけ、その目標に向かって頑張ってもらえたらと思います。 特に昨年は熊本地震のため、本校も含め様々な施設や多くの方が、大きな被害をこうむりました。しかしその経験によって、人の痛み、人とのつながりの大切さなど、貴重な学びを得たとも感じています。若い皆さんがその経験を活かすことができれば、熊本の今後はむしろ明るいのではないか。そんな希望も込めて、しっかりと今を生き、未来への土台を築いて欲しいですね。
Writer T.Iwanaga
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